*season 7* fin









泣き疲れて
眠ってしまったらしく
気付くと自分の部屋にいた。




遠野さんが運んでくれたのかな……。
というか、今何時なんだろう。






あんな取り乱し方して
遠野さんに迷惑かけてしまった。
本当に、何やってるんだろう。







「もう十八時だ……。」








プルルッ







「電話……お母さん……もしもし。」


「あ、月?今大丈夫?」


「うん、私も話したい事……あって。」


「話たい事?どうしたの?」


「………帰りたい。」


「え?」


「もう、帰りたいよっ……。」


「……どうした?何かあった?」


「っ……ふぇっ……。」






お母さんは泣きじゃくる私に
大丈夫だよって、声をかけ続けてくれた。



遠野さんみたいに
無理に詮索するような事はせずに
優しく寄り添ってくれた。





お母さんと相談して
明日の朝の業務だけは私がやって
それ以降はお店のスタッフさんが
入れ替わりで業務を担当する事になった。






「うん、わかった……斉藤さんには話しておくね。」


「うん。じゃあ、明日の十時頃迎えに行くからね。」


「うん……お母さん。」


「ん?」


「迷惑かけて、ごめんね……。」


「……何言ってんのよ、私達家族なんだからそんな事気にしないの!」


「…うん。」


「ゆっくり休みなさい、また明日。」






お母さんはいつだって
私の事を大切にしてくれた。


お父さんの事が大変でも
お店がどんなに忙しくても
私の事を想ってくれていたのに
私はお母さんの為に何の役にも立てない。



足を引っ張ってばっかりだ……。






「斉藤さんの所に、行かないと……。」

















ここで起きた事は
全部全部夢だったんだ。










そうだ、初めから何も無かった。








明日になったら終わる。
それまで、耐えれば全部終わる。
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