*season 7* fin


「はぁっ………。」


「……落ち着いたかよ。」


「は、い………ごめん……なさい……。」


「………。」


「…………。」







遠野さんは、黙ったままでいる。





遠野さんはいつも騒がしくて
人の顔見るなり処刑だって
訳分からない事言ってくるくせに
こういう時、どうしてこんなにも冷静なの。






彼の ”大丈夫だ” って言葉が
ずっと頭に響いてる。






「あの……。」


「あ?」


「どうしたって……聞かないんですか。」


「……別に、テメーの事なんざ興味ねぇ。」


「そう、ですね………。」


「…何で着替えたんだよ。」


「………。」


「………黙りかよ。」


「お願い……。」


「……あぁ?」


「誰にも、言わないでっ……。」


「………。」


「お願いだからっ………。」


「………俺に命令すんじゃねぇ。」









遠野さんは文句を言いながらも
涙が溢れた私に、胸を貸してくれた。







何があったのかを詮索する訳でもない。
ただ傍で、何も言わずに頭を撫でてくれた。











彼の素直じゃない優しさが
今の私には必要だったのかもしれない。
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