*season 7* fin
「失礼、します………。」
「え、どこに行くの……?」
「私は………もう………ここにいない方が、いいから。」
「何も、そんな急にっ……。」
「…………さようなら。」
「瑞稀さんっ!」
あんなに騒がしかった蝉の鳴き声。
それさえも聞こえない。
もう何も、聞きたくない。
「………斉藤さん。」
「ん?瑞稀さん、こんな所でどうし………瑞稀さん?」
「すいません…………体調が悪いので…………部屋に戻らせて、頂いても………よろしいですか。」
「それは良いけど、瑞稀さんどうしたの?酷い顔色だ……。」
「大丈夫です………失礼します。」
「瑞稀さん!?」
夜になったら
斉藤さんの所に話に行こう。
私はもう
ここにはいられない。
いたら、皆を不幸にしてしまう。
幸せになりたいと思った。
でも、それが間違ってた。
幸せじゃなくていいから
不幸になりたくない。
幸せなんて
私には贅沢な話だったんだ。