*season 7* fin


「失礼、します………。」


「え、どこに行くの……?」


「私は………もう………ここにいない方が、いいから。」


「何も、そんな急にっ……。」


「…………さようなら。」


「瑞稀さんっ!」
















あんなに騒がしかった蝉の鳴き声。




















それさえも聞こえない。
























もう何も、聞きたくない。














「………斉藤さん。」


「ん?瑞稀さん、こんな所でどうし………瑞稀さん?」


「すいません…………体調が悪いので…………部屋に戻らせて、頂いても………よろしいですか。」


「それは良いけど、瑞稀さんどうしたの?酷い顔色だ……。」


「大丈夫です………失礼します。」


「瑞稀さん!?」










夜になったら
斉藤さんの所に話に行こう。












私はもう
ここにはいられない。














いたら、皆を不幸にしてしまう。





















幸せになりたいと思った。












でも、それが間違ってた。














幸せじゃなくていいから
不幸になりたくない。

















幸せなんて
私には贅沢な話だったんだ。
50/66ページ