*season 7* fin
「私、あなたのお店に言うから。」
「え?」
「あなたのお店の店員さんが、仕事先で選手を唆してるって。」
「そ、そんなっ…。」
「その評判が広まったら、どうなると思う。」
「やめて下さいっ……どうしてそんな事っ…。」
「どうして?……私から月光を取ったからだよ。」
「っ……。」
「あなたが月光の恋人なんて、絶対に認めないっ!」
もし、そんな事が噂になったら
間違いなくお客様は来なくなるし
お店を続ける事さえ難しくなって来る。
おばあちゃんが
大切にしていた場所が
私のせいで、なくなってしまう。
お母さんも仕事を失って
長年支えてくれた地域のお客様も
裏切る事になってしまう。
「…………どうしたら、良いんですか。」
「………月光と、別れてよ。」
「………。」
「そうしたら、そんな事しないって……約束する。」
「………わかり、ました。」
「そんな顔、しないでよ……一番泣きたいのは私なんだからっ……。」
「………そう、ですね。」
「………。」
「凛花さんの事……傷付けて……すいません、でした。」
花も、草も、空も
こんなに鮮やかな色をしているのに。
どうして
無機質な風景に見えるんだろう。
ただ、幸せになりたかっただけ。
ただ、それだけなのに………。
ほんの小さな幸せさえも。
神様は許してくれない。