*season 9*






その後
咲の病院にお見舞いに来た。




咲は変わらずに
目を閉じたままベッドに横になっている。









冗談だよって
目を覚ましてくれないだろうか。





病室に入ったら
いつもの様に柔らかい笑顔で
笑いかけてくれるんじゃないか。




そんな事ばかりが頭を過る。





「咲……。」


「こんなに優しくて、純粋な子がどうして……。」


「必ず奴等の尻尾を掴む、どんな手を使ってもだ。」


「そうね、やれる事は全てやりましょう。」


「それで、今後はどうする。」


「そうね……今日ドリンクを運んでた部員の子達を、覚えてる?」


「あぁ、それが?」


「あの子達に話を聞いてみようと思う。」


「理由は。」


「言ったでしょ?マネージャーがもう一人いるはずなのに、部員がそういう仕事をするのは不自然よ。」


「……。」


「ただの偶然ならいい。でも、もし誰かの指示でやらされているとしたら…。」


「……あの女か。」


「漫画みたいな話だけど、その線が濃厚かもね。」


「…明日の朝練の時間を狙うか。」


「朝練よりも少し早い時間に待機した方がいいわ。」


「何でだよ。」


「私の予想が合ってるなら、あの子達は朝の準備もさせられてるはずよ。」


「なるほどな、奴等より早く来るって訳か。その方がこっちも都合が良い。」











瀬名の奴。

相変わらず
おっかねー女だ。








私の考えている事でさえ
簡単に見透かすんじゃないかと時折怖くなる。
瀬名の洞察力は、常に神がかっている。
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