*season 9*
「………では、今後いつ目が覚めるかわからないと?」
「はい…最悪の場合、目が覚めない可能性も覚悟して下さい。」
「…………。」
「学校の屋上から落ちて、命があっただけでも奇跡ではありますが…。」
「……わかりました、ありがとうございます。」
「失礼します…。」
医者が病室を出ていく。
これは何の冗談だ。
咲が自殺?
笑えない冗談だ。
「…おい、瀬名。」
「……何。」
「これは一体どういう事だ。」
「……。」
「何故、咲がこんな事になった。」
「まだわからない……けど……。」
「けど、何だ。」
「可能性として考えられるのは……テニス部ね。」
「テニス部……。」
「部活以外はいつも私達と一緒にいたもの、それ以外で考えられるのはそこしかないわ。」
「………。」
「……調べる?」
「あぁ、徹底的にだ……。」
怒りに震える手を握り締め
私達は病室を後にした。