*season 7* fin


「わ、大曲さんも凄く格好良いです!」


「ひゃーっはっは!お前、時代劇にでも出てそうじゃねーかよ!」


「うるせーし、たく…。」


「竜次、篤!」


「種子島、お前か。」


「お!二人共良ぇやん!似合うとるで!」


「猫娘にやられたんだよ。」


「ほんまに!?自分めっちゃセンスあるやん!」


「種子島さんも、凄く素敵ですね!」




種子島さんは
灰色に黒の花があしらってある浴衣。
種子島さんの雰囲気にぴったりだ。


髪型はワックスで少し遊びを出していて
いつもの種子島さんよりも締りのあるイメージだ。




「月ちゃん、おおきに!月ちゃんもめっちゃ可愛えな!」


「ありがとうございます!」


「おい、そろそろ行こうぜ。」


「そやな、行こか。」


「月。」


「月さん?」


「手を貸せ。」


「え……?」




そう言うと
月さんは私の手を握る。
指を絡めて離れないようにする。


月さんの大きな手に
私の手は簡単に収まってしまう。



月さんと目が合う。
ただそれだけで、私の胸は
さらに鼓動を速める。




私って、本当に月さんが好きなんだ。
理屈じゃなくて本能がそう言ってる。




「この会場は人が多いからな。」


「は、い…。」


「どうした、顔が赤いぞ。」


「月さん……大好き、です。」


「…………。」


「月さん……?」


「あまり煽るな、ここでは満足にお前に触れる事も叶わぬのだから。」


「それは、どういう意味ですか?」


「………お前にキスをしたくても、ここでは出来ないという事だ。」


「あ……。」


「祭りが終わったら、お前の部屋に行く。」


「っ……。」


「……俺を、受け入れてくれるか。」





それは…

月さんが言いたい事は
きっと……”私を抱く”って、事だよね。


足先から頭の先まで
燃えるような感覚に陥る。



恥ずかしくて堪らないはずなのに
月さんに触って欲しいと思う。
私も月さんに触れたいと本当は思ってる。





「私は……月さんに触れてほしい。」


「月……。」


「だから……こちらこそ、お願いします。」


「……煽るなと、言っただろう。」





少し頬を赤くした月さんは
顔を見ること無く
私の手を引き歩き出した。




月さん以上に
私の頬は赤く染まっているのだろう。
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