* season 1 *
「それと明日、冴水の歓迎会をする。」
「え?」
「おー!ええやないか!」
「そんな、わざわざいいよ。」
「アーン?これは決定事項なんだよ。」
「そんな時間あるなら練習した方が…。」
「よっしゃ!場所は跡部んちか!?」
「そうだ。」
「楽しみですね、宍戸先輩!」
「あ、あの…。」
「なになにー!?花菜ちゃんの歓迎会!?」
「やっと戻って来たんかいな。」
ダメだ…
この人達全然聞いてない。
そんな時間あるなら
練習すればいいのに…。
「花菜ちゃん。」
「忍足君…?」
「堪忍な、俺達はもっと花菜ちゃんと仲良くなりたいんよ。だから花菜ちゃんに参加してほしいねん。」
「忍足君…謝らないでよ。」
「…もっと笑ってええんやで?」
「!」
「花菜ちゃんの心の中に何がつかえてるんかは知らんけど、俺達の前ではもっと楽にしてええよ。」
「っ……。」
「一人で抱え込まんといてや。」
そう言って
忍足君は私の頭を撫でた。
どうして皆
こんなに優しいんだろう。
こんな私に
どうして優しくしてくれるの?
過去に捕らわれて先に進めない私に
無条件に手を差し伸べてくれる。
それなのに、私は……。