*season 7* fin
次の日
いよいよ夏祭り当日だ。
開始は十時から。
それまでに朝食を済ませて
各自浴衣を着付けてもらったり
必要な人はヘアセットもしてくれるらしい。
凛花さんはそのスタッフとして
お手伝いに来てるんだったよね。
私は自分で出来るから
ご飯食べたら浴衣借りに行こう。
「あれ?食堂そんなに混んでないんだ。」
あ、そっか。
いつも朝練がある時間だけど
今日はないから皆ゆっくりしてるのかな?
私は朝から花壇とかの手入れをしなくちゃだから
いつもと変わりないんだけどね。
「早いじゃねぇか、猫娘。」
「はよ、瑞稀。」
「遠野さん、大曲さん、おはようございます。」
「ここ座れよ。」
「はい、お邪魔します。」
「お前さんは仕事終わりか?」
「はい、今日は皆さんゆっくりですね。」
「今日は朝練がねーからな、どいつもこいつも平和ボケしてやがるぜ!」
「遠野さんは朝から元気ですね。」
「当たり前だろーが!俺の処刑を受けに沢山の人間が来るんだからなぁ!」
「祭りの主旨変わってるし……。」
「ふふっ、遠野さんらしいです。」
それにしても
遠野さんの髪、今日も綺麗だな…。
女の私だってあんな艶ないのに。
私の場合は外にいる事が多いから
紫外線のせいでごわついてるんだよね。
「猫娘、なに人の顔見つめてんだぁ?」
「あ、そうだ!」
「騒がしい奴だな、どうしたんだし。」
「遠野さん、今日髪結わせて下さいね!」
「なっ!?」
「この間約束しましたよね?」
「そんな約束したのかよ、お前。」
「約束なんかしてねーだろ!?お前が勝手にっ!」
「編み込んでも良いし、一本でも良いし…。」
「お前さん、全然聞いてねぇな…。」
「そういえば、お二人はどんな浴衣を着るんですか?」
「俺は焦げ茶の、龍の模様があるやつだ。」
「大曲さん似合いそう!お侍さんみたいですね!」
「それ褒めてんのかよ…。」
「褒めてます!遠野さんは?」
「俺は紫で、紫陽花があしらってある浴衣だ。」
「絶対似合いますね!えー、やっぱり編み込みかなぁ!」
「お前、目を爛々と輝かせやがって……。」
うわぁ、楽しみだなぁ!
遠野さんは黙ってれば美形だから
絶対似合うと思うんだよなぁ。
ついでに
大曲さんの髪も結わせて貰おうかな。
大曲さんは流浪の剣士みたいになりそう。
「大曲さんも結わせて下さいね!」
「は?勘弁しろし…。」
「やっぱり大曲さんは一本縛りかな?」
「おい、聞けし。」
「諦めな、大曲。こいつの頭ん中は花畑の真っ最中だ。」
「こうしてはいられません!自分の用意を早く済ませて、お二人の事お待ちしてますね!ご馳走様でした!」
「あっ!おい!」
タタッ
「行っちまったな……つか、いつ飯食ってたんだし。」
色々な事が楽しみで
浮き足立ってしまう。
今日は月さんともお店を回る約束したし
仕事もしっかりやって夏祭り楽しもう。