*season 7* fin


「たまたま通りかかってね。」


「入江、嘘が下手すぎるぞ。」


「そんなはずは……嘘だぁぁぁ!」


「入江さん、黙って下さい。」


「徳川君、酷いじゃないか。」


「皆さん、こんな所でどうされたんですか?」


「お前が心配だったに決まってるだろ。」


「え……?」


「鬼、それはどういう意味だ。」


「瑞稀は、自分がお前の傍にいる事で迷惑を掛けてるんじゃないかと悩んでたんだ。」




鬼さん
私が悩んでいたのを心配して
様子を見に来てくれていたって事?




徳川さんも、私が変な事言ったから
一緒に様子を見に来てくれたんだ……。






入江さんは……多分、面白がってかな?




「……。」


「越知さん、瑞稀は人に弱音を吐きません。一人で抱え込もうとする癖がある。」


「徳川……。」


「だから、あなたが気付いてあげて下さい。そして傍にいてあげて下さい。」


「越知、瑞稀は俺達の妹みたいなもんだ。これ以上泣かせるんじゃねぇぞ。」


「鬼さん、徳川さん……。」


「僕だって、心配してない訳じゃないよ?でも、二人ならきっと大丈夫だって信じてるから。」


「入江さん……ありがとうございます。」


「俺が至らぬせいで、心配をかけてすまない。」


「馬鹿野郎、俺達は仲間だろう。」


「鬼……。」


「そうだよ、越知。水くさいよ?」


「入江…ありがとう。」





もう大丈夫だ。


私には
こんなに優しい人達がいる。
こんなに思ってくれる人達がいる。



大好きな越知さんがいて
皆がいてくれる。

もう怖いものなんてない。
あとは、前に進むだけだ。





「それにしても、珍しい写真が撮れたよ。」


「珍しい写真?」


「見たいかい?」


「はい、是非!」


「仕方ないなぁ……じゃーん!」


「……ん?」


「越知の赤面写真!皆にも見せてあげなきゃ!」


「お前なぁ……。」


「……。」


「あ、月さんが怒ってます。」


「越知!入江はともかく、俺と徳川は関係な…徳川?」


「徳川は先程室内に入って行ったぞ。」


「なっ!徳川卑怯だぞっ!」


「くっ……プレッシャーで体がっ……嘘だぁぁぁ!!」


「入江!てめぇが余計な事しやがるから、俺まで巻き込まれたじゃねぇかっ!」


「ぷっ……あははっ!」


「瑞稀!笑ってないで助けやがれ!」


「あ、ごめんなさい!月さん、怒っちゃだめですよ。」


「む……。」


「お前、瑞稀に弱すぎだろ………。」







最後はコントみたいになって終わった。





鬼さん達のおかげだ。

月さんと向き合う事が出来たのも
自分に正直になれたのも
全部全部、この人達のおかげだ。





これからは、自分に正直に生きたい。
自分にも周りにも嘘はつきたくないから。
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