*season 7* fin
「んぁっ……ぁっ……おち……さっ……。」
「月……。」
「っ……名前……。」
「これからは…月と、呼んでいいだろうか。」
「もちろんです……私も、月さんて……呼んでも……。」
「無論だ。」
「月さん……ちょっと、照れますね。」
「……月。」
「は、はい。」
「お前も、俺に遠慮はするな。言いたい事は我慢せずに伝えてくれ。」
「月さん………。」
「お前に辛い思いをさせたくない。」
月さんは
優しく頬を撫でる。
たったそれだけの事なのに
私の心は温かい何かに包まれていく。
彼の大きい手に包まれるのは、とても心地良い。
夕暮れの空はとても穏やかで
まるで、今の私達を写した鏡の様だった。
きちんと言葉にしよう。
凛花さんの事も
思っている事をちゃんと伝えよう。
「あのね……。」
「ん?どうした。」
「さっきの事なんですけど……。」
「さっき……凛花の事か。」
「本当は、一緒にお祭り回りたかった……でも、月さんにとって凛花さんは大切な人だから……。」
「月……。」
「私、ヤキモチ焼きでだめですね!でも、幼馴染でも……月さんを取られたくなくて。」
「……。」
「さっき、失礼な態度をとって…すいませんでした。」
「……俺こそ、気付いてやれずにすまなかった。」
「月さんと凛花さんは悪くないです、私が我儘なだけで……。」
「明日は、二人で出店を回ろう。」
「え……いいんですか?」
「当然だ。お前は俺の彼女……なのだから。」
彼女………。
そう言った月さんの頬は
微かに赤くなっている様に見えた。
もしかして、照れてる?
私は月さんの前髪をどけた。
驚いた様な表情の月さんと目が合った。
月さんはすぐに視線を逸らす。
何だか、私まで恥ずかしくなってきた…。
「月さん……。」
「あまり、見るな……。」
「ふふっ、月さん可愛い。」
「む………。」
ガサッ
「………誰だ。」
「あらら、バレちゃった。」
「鬼さんが動くからですよ。」
「また俺のせいかよ……。」
「入江さん、徳川さん、鬼さん!」
茂みにから出てきたのは
入江さん、徳川さん、鬼さん。
この流れ
しばらくなかったから忘れてた。
前も思ったけど、徳川さんこういう事するんだ。
月さんも、この流れに慣れたみたい。