*season 7* fin


「明日、私が結ってあげます。」


「何でお前なんかに……。」


「どんなのにしようかなー。」


「人の話聞けよ!」




私の頭の中は遠野さんの
髪型のイメージでいっぱいになった。


こんな綺麗な髪
ただ下ろしてるだけじゃ勿体ないよ。




私は遠野さんの髪を
無意識に触り続けていた。


簡単に手櫛が通るシルクの様な髪に
私の好奇心は尽きる事は無かった。




「お前、触りすぎなんだよっ!」


「あ、ごめんなさい。」


「たくっ……。」


「自分ら、随分仲良ぇやん。」


「お前ら何してんだし。」


「…………。」


「皆さん、お疲れ様です。」





ロビーに入って来たのは
種子島さん、大曲さん、越知さん。


皆も明日、浴衣着るのかな?
高校生は皆背が高いからよく似合いそうだな。




というか…
越知さん、少し不機嫌そう。
何かあったのかな。





「遠野さんの髪があまりに綺麗なので、触らせて頂いたんです。」


「へぇ、あの篤がねぇ……。」


「何だよ、種子島。文句あんのかよ。」


「文句があるんは、俺よりか……。」


「………。」


「……越知さん?」


「……俺は先に行く。」


「おい、待てし。」





越知さんは
そのままロビーを後にした。




いつもより声が低くて
明らかに怒っている感じだった。


越知さんは何かあっても
他人に相談するタイプじゃない。
だからこそ心配になってしまう。



私とも目を合わせなかったし
何があったんだろう……。





「越知さん……。」


「ツッキー、月ちゃんの事になるとわかりやすいやっちゃなー。」


「え?」


「だな、態度に出すぎだし。」


「……っち、面倒な奴。」


「皆さん、越知さんが不機嫌な理由わかるんですか?」


「月ちゃん、わからへんの?」


「す、すいません……。」


「こりゃあ、越知の野郎も苦労するな。」


「大曲さん、どういう……。」


「それは自分で考えろし。ま、その内わかると思うがな。」


「篤も、ツッキー煽る様な事したらアカンで?」


「うるせぇ、俺に指図すんな。」


「え、えと……。」






もしかして私……。



また余計な事しちゃったのかな。
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