*season 7* fin
夕食後
私は部屋で仕事をしていた。
結局、花の種類をどうするかが決まらず
昼間の話など忘れて一人頭を悩ませていた。
越知さんは
ルリマツリとエボルブルスが良いって
……というか、時期に合ってるって言ってたけど
どうしようかな。明日、白石君達に聞いてみようか。
「よし…明日朝食の時に三人に聞いて発注掛けないと。」
コンコン
「ん?誰だろ……はーい。」
ガチャ
「お、越知さん………?」
「どうした。」
「え、それはこっちのセリフですが……?」
「昼間言っただろう、夕食後にお前の部屋に行くと。」
扉を開けると
そこには越知さんが立っていた。
普段のユニフォーム姿では無く
白いシャツに黒のズボンを着ている。
昼間の雰囲気とは違い、より大人じみている。
「入ってもいいだろうか。」
「え、あっ……は、はい……。」
「お前の部屋は広いな。」
「そ、そうですか?」
「俺達は基本的に四人部屋で、ベッドも二段ベッドが二つ置いてある。」
「皆さん身長高いから、何だかちょっと窮屈そうですね。」
「寝起きするだけだ、さして問題はない。」
「ふふっ……。」
「何故、笑う。」
越知さんが
横になっているのを想像したら
長さが足りなくて足とか出てるのかなって
ちょっとおかしくなってしまった。
越知さんはベットに腰掛け
横に座れとでも言うように、ポンポンと叩く。
色欲に満ちた瞳に、胸がドキリと跳ねる。
このまま横に座ったら
どうなってしまうのだろう。
キスだけでは済まないと、本能的に感じる。
「あの……。」
「どうした。」
「っ……。」
「警戒せずとも、手荒な真似はしない。」
「警戒というか……えと………。」
グイッ
「きゃっ…。」
「相変わらず、顔が赤いな。」
「越知さんっ……近い……です。」
「あぁ。」
見兼ねたのか
私の手を引き、自身の足の上に乗せる。
彼と向き合う体勢に恥じらいを隠せない。
見上げるとすぐ近くに越知さんの顔。
少し前に出れば、唇が重なってしまう距離。
視線を合わせようものなら
昼間の様な愛しみに包まれるだろう。
今の私にはそんな心の余裕は無い。
「……何故こちらを見ない。」
「だって……っ……。」
「だって、何だ。」
「越知さんにキスされると……ドキドキして……。」
「……。」
「胸が苦しいんだもんっ……。」
「………それが、煽っているという事に何故気付かない。」
「えっ……んっ……ふぁっ……んぅっ………。」
「お前は愛らし過ぎる。」
キスは深みを増していく。
後頭部を抑え
私が彼から離れる事を許さない。
まただ。
また彼の愛に嵌っていく。