*season 7* fin


「んぁっ……はぁ……ぁっ……。」


「っ……瑞稀っ……んっ……。」


「おちっ……さっ……やっ……。」




息が続かない、苦しい。

だけど、快楽がそれを上回る。
離れないでと、彼の頬を両手で包んでいた。




私は今、どんな顔をしているのだろう。
きっとみっともない顔で、緩んだ顔で
越知さんにキスをせがんでる。


自分がこんなに淫らな人間なんて
全く思いもしなかった。




「瑞稀……場所を変えるぞ。」


「えっ……場所………?」


「今のところ他に人はいないが、ここは人目につく。」


「…………はっ!?」





よく考えたら…






ここロビーだったっ!!





「は、早く言って下さいっ!」


「ん?どうした。」


「何でもないですっ、私仕事の続きし……。」





グイッ





「きゃっ……越知、さん?」


「俺の…お前に触れたいという欲求は、どうすればいい。」


「あっ……あのっ……。」


「………。」


「い、今はだめっ……です……。」


「……では、夕食後にお前の部屋に行く。」


「えっ……そ、それはっ……。」


「異論はないな。」


「あ、あるけど……はい……。」


「仕事に取り掛かるぞ。」




というか
部屋に来て何するの……?


危ない香りがするのは、私だけだろうか。
越知さんの瞳が戦闘モードになる。


仕事に取り掛かるぞって言うけれど
まだ何やるか言ってないんだけど……。




「それじゃあ、越知さんの意見を聞きたいんですけど……。」


「何だ。」


「この中で貰ったら嬉しいのってどれですか?」


「……さして興味はない。」


「………。」


「……が、青色のこの二つは清爽でこの時期に合うのではないか。」


「越知さんて、青が好きなんですか?」


「嫌いではない。」


「……素直じゃないな。ちなみに、越知さんの好きな物は何ですか?」


「好きな物……水と更科そばだ。」


「お蕎麦好きなんですね。」




越知さんの事だから
”さして興味はない”って言うと思ったのに
少し意外な答えだったな。


よく考えたら
私、越知さんの事よく知らないや。
彼の瞳が人にプレッシャーを与えるとか
さっき聞いた蕎麦が好きって事位しか知らない。




越知さんは
あまり自分の事話さないから。




「お前の好きな物は何だ。」


「私は、お花と越知さんが好きです!」


「……………。」


「越知さん?」


「あまり、煽るな。」


「煽る?」


「………用を思い出した、また後でな。」


「あ、はい……。」






そう言って
越知さんは行ってしまった。



煽るって何だろう。

越知さんは言葉遣いも行動も
全部大人っぽくて理解できない時がある。
私頭悪いからそれも原因かも。





とりあえず仕事しよっと……。
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