*season 7* fin


「瑞稀、もういい。」


「越知さん……。」


「辛い事を思い出させて、すまなかった。」


「……聞いて下さって、ありがとうございました。」


「猫娘、安心しろ。」


「え……?」


「今度あのクソガキが、てめぇに何かしようもんなら……この俺様が処刑の実験台にしてやるからよぉ!」


「遠野君、君が警察のお世話になりますよ。」


「ヒャーハッハ!」


「皆さん、助けてくれてっ……本当にありがとうっ…。」





もう、大丈夫。

この人達みたいに
優しくて、心の暖かい人達がいる。
それがわかったから前に進める。


私が進むべきなのは未来だ。
過去に捕われる必要なんかない。





「瑞稀、吹っ切れたようだな。」


「まだ少し怖いけど…少しずつ前に進みます。」


「焦る必要はない、お前のペースで進めばいい。」


「越知さん……ありがとうございます。」


「さて……そろそろ夕食の時間になりますし、我々も行きま……。」





ガシャンッ





「きゃあっ!」


「……君達、何をやっているのですか。」


「痛てて……あ……。」


「だから、押すなって言ったろーが。」


「だって、鬼が押すから……。」


「何で俺なんだよ!」


「入江さん、さっきわざと押してましたよね。」


「人聞きが悪いよ、徳川君。」






ドアを破壊して
流れ込んできたのは
種ヶ島さん、大曲さん、入江さん
鬼さん、毛利さん、徳川さん。



皆こんな所で
何をしてるんだろう。
というか、遠野さん下敷きになってるけど…。






「そんな事はどーでもえぇ…月ちゃん、話は聞かせてもろたわ。」


「え……?」


「ここには俺達がおる、誰にも月ちゃんを傷付けさせへん。」


「一人で抱え込むなし。」


「種ヶ島さん、大曲さん……。」


「君を全力で守るよ、ね?鬼、徳川君。」


「あたぼうよ。女に手を上げる奴は屑だ。」


「その手では作業に支障が出る、何かで出来る事があれば遠慮なく言ってくれ。」


「入江さん、鬼さん、徳川さん……。」


「せや、皆月ちゃんの味方やから。」


「毛利さんっ……。」








心に暖かいものが溢れる。

まだ出会って間もないのに
どうしてこの人達はこんなにも
他人に優しく出来るのだろうか。




もっと早く皆に会えたら
何か変わって……きっと変わってた。


だから
これからの時間を大切にしよう。
救ってくれたこの人達に恥じない生き方を。







「瑞稀。」


「越知さん……。」


「一人ではない事を、忘れるな。」


「っ……うんっ……。」


「もう泣かないで、君は笑顔がよく似合う。」


「ん?そういえば、篤はどこ行ったんや?」


「……君達が踏み潰しているのが、遠野君です。」


「…………へ?」


「てめぇら……良い度胸、してんじゃねーか!あぁっ!?」


「や、やべぇ!勘弁しろし!」


「お前ら逃げるぞ!」


「逃がすかよ!ヒャーッハッハ!」


「全く、騒がしい人達ですね。我々も行きましょうか、瑞稀さん。」


「はいっ!私、お腹ペコペコですっ!」


「ふっ……そうか。」





そういえば
私、朝から何も食べてなかった。
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