*season 7* fin


「…瑞稀。」


「はい。」


「俺は……。」


「おい、押すなし!」


「テメェこそ押すんじゃねぇ!」


「ちょっと二人共、バレちゃうよ。」


「ちょ、ちょっと!声がお………あ。」


「………。」


「つ、月さん…こ、こないな所で会うなんて偶然やなーっ……。」


「お前達、何をしている。」





声のした方を見ると
毛利さんや種ヶ島さん
入江さん、鬼さん、大曲さんが
草の茂みから顔を出していた。


皆、背が高く腰を落としても
隠れきれてない。



越知さんはゆっくりと立ち上がり
皆の近くへと歩いて行った。

前髪を掻き上げ、両目を露わにする。
越知さんの瞳を直に見た毛利さん達は
あまりの威圧感に動けずにいた。





「お、おい、勘弁しろし……。」


「何をしていると、聞いている。」


「プレッシャーが凄すぎて動けないっ……う、嘘だぁぁぁぁ!」


「入江!今そんな臭い芝居やってる場合じゃねぇぞ!」


「ツッキー!わ、悪気はこれぽっちもなかったんや!」


「よいしょ……皆さん、こんばんは。」


「お前さんなら越智を止められる!頼む!」


「え?」





止めるって….。

あ、越知さん怒ってる。
だけど、どうして怒ってるんだろう。



毛利さん達、小刻みに震えてる。

プレッシャーというのは
そんなにも人の心を乱すものだろうか。
私は何も感じ取る事が出来ないでいた。






「何だかよくわからないけど、越知さん怒らないで下さい。」


「む…。」


「皆さん、震えてますよ。」


「だが……。」


「皆、見らんせーね!月さんが髪を下ろしよった!」


「月ちゃんの言う事は聞くんやな……これはオモロいで。」


「お前、余計な事考えんなし。次はメンタルどころの話じゃなくなるぞ。」


「……次はない、覚えておけ。」


「ちゃ、チャイ☆」


「越知さん、本当は凄く優しいのに…誤解されちゃうのが寂しいです。」


「っ……。」


「な、何それ…可愛すぎやろ……。」


「無意識でやるのがまた……。」




種ヶ島さんと毛利さんは
頬を赤くしてブツブツ何か言っている。

大曲さんと鬼さんは
溜息をつきながら頭をかいている。

入江さんは何か企んでいるのか
含みのある笑みを浮かべていた。



というか
そもそも皆は何してたんだろう。




「そういえば、皆さんは何をなさっていたんですか?」


「え、それは…。」


「入江、お前が言うと余計なややこしくなるから黙ってろし。」


「酷いなぁ。」


「散歩や、散歩!な、鬼!」


「俺に振るんじゃねぇ。」


「月さん、ほんますんませんでした。」


「……。」


「そろそろ戻りましょう、明日もありますし。」


「あぁ、そうだな。」


「私、花壇の様子だけ見に行ってきますね。」


「こんな時間だ、部屋まで送る。」


「越知さん、ありがとうございます。でも大丈夫です!」


「だか…。」


「それじゃ、皆さんおやすみなさい!」





タタッ





「行ってもうた…。」


「なぁ、ツッキー。月ちゃん優しいし、可愛ええな。」


「何が言いたい。」


「全く、月さんそういうとこは本当に鈍感なんだから。ね、鬼。」


「だから、俺に振るな。」


「さ、俺らも戻りましょか。」






後半ややこしくなってたけど
越知さんの口から色々聞けてほんの少しだけ
越知さんを知ることが出来た様なきがする。






また、明日から頑張ろう。
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