* season 1 *



何とか教室を脱出した私は
屋上にたどり着いた。



屋上も広いなー…。



すぐ下がカフェテリアなんだ。
オシャレな学校だなー。





「というか、柵が低くて危なっ……っ!」





やば…。

身を乗り出しすぎて
重みで前のめりにっ………。







落ちるっ………。







「先輩っ!!」






グイッ






「きゃあっ……。」


「くっ!」





顔を上げると
そこには日吉君がいた。

落ちそうになった私の腕を掴み
引っ張り上げてくれたんだ。



私は日吉君に抱かれた状態で
動けないでいた。


恐怖心と安堵感で
いつまでも胸のドキドキが治まらない。





「はぁっ……先輩、大丈夫ですか。」


「あ……あり……が……と。」


「……先輩、震えてる。」


「だ、大丈夫っ……っ……。」


「先輩……。」


「うっ……怖かっ……。」


「……こうすれば、見えませんから。」







そういうと
日吉君は私を優しく抱きしめた。


私の泣き顔が見えないように
気をつかってくれてる。
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