*season 7* fin


「あ、あのっ……。」


「やっぱり、女の子がいるといいよねー!」


「コーチ、セクハラですよ。」


「へ?あ、ごめんごめ……っ!?どこからか凄いプレッシャーを感じるんだけど……。」


「……あ、月さん。」


「………。」


「越知さん、おはようございます。」


「おはよう。」


「越知、お前何コーチ相手にプレッシャー掛けてんだ。」






プレッシャー??
プレッシャーって何の事だろう。


さっき越知さんの瞳が少し見えたけど
キリッとしてて格好良いのに
何故髪の毛で隠すんだろうか。






「すまない、無意識だった。」


「無意識って、何言ってんだお前。」


「じゃ、じゃあ僕はこれで!瑞稀さんよろしくね!」


「はい、お任せ下さい。」





齋藤さんは逃げる様に
走って行った。



あ、入口のドアに頭ぶつけてる。



コーチって聞くと
何だか厳しそうなイメージがあるけど
あの人は少し抜けているところがあって
観察してる分には面白いかも。





「あの、さっき言ってたプレッシャーって何ですか?」


「それはね…。」


「……瑞稀、余計な詮索はするな。」


「ご、ごめんなさいっ…。」


「月さん、言い方。」


「……俺は先に行く。」


「おい、越知!」





越知さんは食堂から出て行った。




聞いたらいけない事だったのかな…。

さっきの越智さんの声凄く低かった。
それとも私が馴れ馴れしくて嫌だったのかな。



そうだよね。
私はただ仕事で来ているだけなんだから
必要以上に踏み込むべきじゃないよね。





「ったく、越知の野郎…。」


「あの人はいつもあんな感じだ、気にしなくていい。」


「徳川さん…はい、すいません。」


「……ちょっと面白いかも。」


「何か言ったか、入江。」


「ううん、何でもないよ。さっ、朝食を済ませてしまおう。」


「はい。」


「手が空いてる時しか無理だが、もし作業が一人で大変な時は言えよ。」


「鬼さん、ありがとうございます。」






何が気に触ったのかはわからないけど
後でちゃんと越知さんに会ったら謝ろう。


私はまだここに来て二日目だ。
そんな私を信用して貰えるはずないし
皆良い人だけど、ちゃんと弁えなくちゃ。
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