*season 7* fin







シャワーを浴びた後
私はラウンジで休憩していた。



夕食まではまだ時間がある。
少しだけゆっくりしよう。






初日から頑張りすぎたかな。

終わらせる事に意識が行き過ぎて
気付いたら水分も取らずに作業していた。



暑さには強いんだけど
無理をしたせいか少し頭がぼーっとする。






「君、大丈夫ですか?」


「え……?」


「少し顔が赤い様ですが……。」





声をかけてくれたその人は
片膝を付き私の顔を覗き込む。




赤いユニフォームを来てる…。

この人も選手の人なのかな?
凄く整った顔をしていて優しそうな人。


世間ではこういう人を
イケメンて言うんだろうな。






「あ、あの…。」


「私とした事が、名乗りもせずに申し訳ありません。私は君島 育斗、U-17日本代表の選手です。」


「何でこの合宿所に女がいるんだよ、あぁ!?」


「申し遅れました。今日から住み込みでこの施設の植栽管理を担当します、瑞稀 月です。」


「彼は遠野 篤京。遠野君は少し変わってるので気にしないで下さい。」


「君島ぁ!テメェ、喧嘩売ってんのかぁ!?」


「今日からお世話になります。」


「ところで、大丈夫ですか?」


「あ、大丈夫です。作業で少し疲れちゃっただけで…。」


「瑞稀。」






声のした方を見ると
そこにいたのは越知さんだった。


こうやって見ると
君島さんや遠野さんと比べても
越知さんの背の高さはずば抜けている。





「君島と遠野か、どうかしたのか。」


「彼女が少し辛そうだったので、声を掛けていたところです。」


「具合が悪いのか。」


「い、いえ…少し疲れただけです。」


「顔が赤い。」





越知さんの手が、私の頬を包む。

大きくて
少しひんやりとしてて
熱を持った頬が冷やされていく。


越知さんは冷え性なのかな。
彼の温度がとても心地好い。




「…………はっ!あ、あのっ!」


「熱は無いようだが…何故、赤みが増している。」


「越知君、君のその手が原因だと思いますよ。」


「手?」


「不用意に女性に触れるのは失礼ですよ。」


「そうか、すまなかった。」


「私こそ、ご心配をおかけして……。」


「それにしても、他人に興味を示さない君が珍しいですね。」


「いや……猫に似ていて、つい触れてしまった。」


「猫……全く、君という人は…。」


「クックック!確かに処刑しがいのありそうなツラしてるもんなぁ?」


「君は黙っていて下さい。」






猫に似てるってどういう意味だろう。

見た目が?
それとも背が小さいから?
越知さんて見た目もだけど不思議な人だ。






そういえば
さっき、瑞稀って呼んでたけど
越知さんは私に何か用だったのかな。
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