*season 6* fin






その後
着替えてコートに戻った。


お姫様抱っこで更衣室まで行ったけど
恥ずかしすぎて顔から火が出そうだった。



あの人、どういう神経してるんだろ。





「花梨、茉夏見つけたんだな。」


「別に大丈夫だったろぃ?」


「ジャッカル先輩、ブン太先輩。」


「さっき茉夏も来たぞ。」


「あ、はい……あれ?先輩達って、茉夏先輩と同じクラスでしたっけ?」


「ん?そうだけど、それがどうかしたか?」





茉夏先輩は
絶対に皆には何があったか言わない。


しかも、あの先輩達が
このまま引き下がるとも思えない。



だったら
ジャッカル先輩とブン太先輩に
守ってもらう他ないよね…。


せめて教室にいる間だけでも
茉夏先輩を守って貰えれば十分だ。




「お二人に、お願いがあります。」


「なんだよ、改まって…。」


「茉夏先輩を、守ってあげてほしいんです。」


「茉夏を守る?」


「どういう意味だよ。」





二人にさっきあった事を話した。


あの先輩達
随分上手くやってたみたいで
ジャッカル先輩もブン太先輩も
そんな風には全然見えなかったみたい。



もちろん、茉夏先輩が
そういう素振りを見せなかったんだと思う。





「そんな事があったのか……。」


「わかった、茉夏の事は俺達に任せろぃ。」


「ありがとうございます!先輩達がいてくれたら安心ですっ!」


「茉夏が辛い目に合ってるのを、気付いてくれてありがとうな。」


「いえ…それと、この事は真田先輩達にも茉夏先輩にも内緒でお願いします。」


「何でだよ。」


「真田先輩はその人達の所に殴り込みに行きそうだし、柳先輩もネチネチしそうだし、仁王先輩も……何より、茉夏先輩は皆に心配かけたくないって思ってるから。」


「花梨……わかったよ、お前の言う通りにするから安心しな。」


「ブン太先輩…はい!ありがとうございますっ!」


「よし、そろそろ練習に戻るか。いつまでも話してると、真田に何言われるか分からな……。」


「ジャッカル、丸井、羽月。」


「っ!」


「貴様ら、いつまで遊んでるつもりだ。」




うわっ!
見つかっちゃったっ!


これは
あのお決まりのセリフが来る…!




「たるんっ……。」


「たるんどる!と、真田先輩は言う。」


「……ぶはっ!花梨お前っ!」


「柳の真似かよっ!うまいじゃねぇかっ!」


「ちょっと自分でもウケましたっ!」


「………っ貴様ら。」


「あ、やべ……。」


「ジャッカル先輩、ブン太先輩……逃げるが勝ちですっ!」


「花梨!汚ぇぞ!!」


「待たんかぁぁぁあ!!!」







相変わらず
顔怖いなぁ、真田先輩。





でも、よかった。

ジャッカル先輩達が付いていてくれたら
茉夏先輩も安心だよね。
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