*season 6* fin


「ご、ごめんねっ……。」


「茉夏先輩、いつからですか?」


「え……?」


「いつから、こんな事されて…。」


「……三年に上がった頃。クラスの男子に告白されて、そこから。」


「確かに、茉夏先輩美人だから男子はほっとかないですよね。」


「それが、女子グループのリーダー的な子の好きな人だったらしくて…。」




漫画みたいな理由。


茉夏先輩
寂しそうな顔してる。


さっきの先輩達が
女子グループのリーダーとその取り巻き。
だとすれば、茉夏先輩と友達にならないように
他のクラスメイトにも根回ししてたはず。




「……茉夏先輩!」


「え?」


「茉夏先輩は、私の憧れの先輩で……大切なお友達ですっ!」


「花梨ちゃん……うんっ!」


「茉夏、羽月!」


「あ、弦一郎…。」


「茉夏はともかく、羽月!仕事をほおって何をしている!」


「なっ!茉夏はともかくって、何ですか!」




真田先輩め……。

茉夏先輩はいいけど
お前は何やってんだって事?



腹立つなぁ…
私の扱い酷くない?




「茉夏、そのプリントは職員室に持って行くのだろう。」


「あ、うん。」


「早く行ってこい。」


「うん、行ってくる。花梨ちゃん、ありがとう!」




笑顔で走っていく茉夏先輩。


よかった。
いつもの茉夏先輩だ。



ていうか………。




「くしゅっ……。」


「ん?お前っ、何故濡れている!」


「あ、あの…これは……。」


「……。」





グイッ





「きゃっ!真田先輩っ!?」


「お前はほおっておくと、ろくな事をせんな。」


「お、降ろして下さいっ!」





真田先輩は私を抱きかかえた。


真田先輩の顔が近くて
呼吸が、近い……。





「真田先輩っ……。」


「暴れるな、更衣室に行くぞ。」


「あ……。」


「お前は……小さいな。」





そう言って
真田先輩は笑った。



こんなお姫様抱っこ
ずるい……無意識にやってるからもっとずるい。
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