*season 6* fin


「真田先輩…。」


「何だ。」


「私……私っ……。」






先輩の事が好き。
大好き。


そう言えたら
どんなに楽だろう。



でも、こんな私を
真田先輩が好きになってくれるはずない。


先輩はきっと
茉夏先輩みたいな美人で
賢くて仕事の出来る人が好き。




私にはこの想いを伝える自信はない。






「っ……。」


「羽月?」


「……私は、先輩の事見てますから。」


「……。」


「私には…私達には真田先輩が必要です。だから、落ち込まないで下さい!」


「この俺が落ち込む?笑わせるな。」


「さすが真田先輩、先輩のメンタルの強さは鋼どころの話じゃないですねっ!」


「貶してるのか?」


「褒めてるんです!」


「ふっ……。」





今はこれでいいや。

真田先輩が笑ってくれる…
今の私にはそれで十分。



私は皆がテニスに打ち込む為に
私が出来る事を全力で頑張る。





「俺も、お前の事を見ている。」


「……え?」


「お前はそそっかしいところがある。俺が見ていてやらないと何をしでかすかわからんからな。」


「……………。」


「む、どうした。」


「…………真田先輩の、ばーーーかっ!大っ嫌い!」


「何だとっ!?貴様、年上に向かって馬鹿とは何たる事かぁぁぁ!!」


「べーっだ!」







頑固オヤジめ!
もう少し気の利いた事言えないの!?




でも逆に
甘い言葉を囁いている真田先輩…。


ちょっと不気味かも……。
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