*season 6* fin
もうすぐ全国大会。
皆、練習に熱が入ってるな。
こんな大事な時期なのに
私何やってるんだろう。
マネージャーなのに
先輩達に助けて貰って
迷惑かけて……。
でも、私間違ってなかったよね?
真田先輩達も、あの先輩達にも
傷付いて欲しくなかったから。
「よし、こっちの記録は終わり……。」
「羽月。」
「えっ?あ、先輩達……。」
「ちょっと、話せないか。」
「……わかりました、場所変えましょう。」
「悪いな。」
私に話しかけてきたのは
朝、私を突き飛ばした先輩達。
怖くないわけじゃない。
でも、きっと分かってくれたって
信じたいんだよね。
私達は部室に移動して
話す事になった。
「それで、話って……。」
「悪かったっ!!」
「え……?」
「怪我、酷かったんだろう?痛い思い、させるつもりは無かったんだ…。」
「先輩……。」
「真田やレギュラー陣の実力にはどんなに頑張っても敵わない……なのに、何で俺達こんな事してるんだって、ふと虚しくなってな……。」
「……。」
「あんな事、最低だよな……それに、お前をこんな硬い籠に向かって突き飛ばして……。」
先輩達……。
それでわざわざ私の所に。
私も先輩達の気持ち
痛い程よく分かる。
必死で頑張ってるけど
なかなか上手くいかなくて
認めて貰えなくて…。
私は中学に上がってから
初めてマネージャーになったけど
立海大のテニス部員のほとんどは
小さい頃からテニスをしてる。
それなのに
実力で勝てない……。
きっと皆、悔しい思いをしてる。
そこをフォローしてあげられなかったのは
きっと、私の責任もある。
「先輩達、もう気にしないで下さい。」
「羽月……。」
「私、先輩達の気持ちわかるから。」
「……。」
「先輩達は、ここで終わりじゃない。まだまた先は長いんですから!」
「お前……。」
「許して、くれるのか?」
「許すも何も、怒ってません。だけど、もう誰かを傷付けるような事はしないで下さい。」
「あぁ、約束する。」
「じゃあ、この話はもう終わ……。」
ガシャ
「どういう事だ。」
「あっ……。」
そこに現れたのは
真田先輩と柳先輩、仁王先輩。
やばい……。
今の話聞かれてた?