*season 6* fin
朝練の時間になり
皆が集まって練習が始まった。
左肩がズキズキと痛む。
絶対にバレないようにしなくちゃ…。
「花梨ちゃん、記録取れた?」
「は、はい!」
「ありがとう、貸してくれる?」
「はい、お願いしまっ…っ!」
ガシャン
「花梨ちゃん?」
「ご、ごめんなさい…手が滑って!」
「大丈夫?」
「はい!お願いしますっ!」
手を上げたり、前に出すのが
すごく痛いっ……。
折れたりはしてないと思うけど
痛みが増してる気がする。
「っ……うっ……。」
「花梨ちゃん?……花梨ちゃんっ!?」
「痛いっ……ふぇっ……。」
「どこが痛いのっ?」
「茉夏先輩っ……皆には言わないでっ……。」
「えっ……?」
「お願いっ……。」
「茉夏、羽月、どうした。」
「弦一郎………花梨ちゃん、ちょっと貧血みたいだから保健室連れていくね。」
「何?羽月、大丈夫か。」
「っ………。」
私、今酷い顔してる……。
早くここから離れないと
柳先輩や柳生先輩に見られたら
絶対にばれちゃう。
「羽月、泣いているのか……?」
「花梨ちゃんの事は私に任せて、早く練習に戻って。」
「あ、ああ。任せたぞ。」
「行こう、花梨ちゃん。」
茉夏先輩の起点で
真田先輩にはバレずに済んだ。
真田先輩や皆には
無駄な心配かけたくないから。