*season 6* fin







その日の部活は終わり
片付けを終わらせて解散。



したんだけど
帰る途中でコートのベンチに
ノートを忘れた事に気づいて戻った。



私昔から忘れ物も多かったんだよね…。






「えーっと……あ、あった!良かった!」






このノートは
私なりに気付いたことや
皆の事を細かく記してある大事なノート。



一年の時から
一生懸命書き続けてるの。

ドジで皆の足引っ張っちゃうけど
少しでも皆の力になりたいから。






「羽月か?」


「あ、真田先輩!」


「一人で何をやっている。」


「あの、ちょっと忘れ物をして………。」


「全くお前は…たるんどる!」


「そ、そんなに怒らなくてもいいじゃないですか!」


「こんな時間に女子一人で、危険だとは思わなかったのか。」


「まだ18時です!」


「たわけが!18時と言えど、外はもう真っ暗なのが見えんのか!」


「そ、そうだけどっ………。」






真田先輩め…
そんなに頭ごなしに
怒らなくてもいいじゃないっ!



先輩は真面目で堅実で
曲がった事が大嫌いで自他共に厳しい人。


でも茉夏先輩には優しくて
私ばっかりに厳しい。





わかってるよ。

私は茉夏先輩みたいに出来が良くないし
私が動く方が仕事が増える。





自分だってわかってるよ…。






「……以後、気を付けます。」


「わかればいい。」


「それでは、失礼します。」


「待て。」


「え?」


「家まで送って行く。」


「え、さすがにそれは悪いので大丈夫です。」


「遠慮はいらん。お前の家は俺の家の方向と同じだ。」


「で、でも……。」


「お前に何かあったら、茉夏やあいつらに合わせる顔が無い。」


「……ありがとう、ございます。」








その日は真田先輩に
家まで送って貰う事に。






不器用な先輩。
でもそんな先輩の不器用な優しさが
私は堪らなく嬉しくて、大好き。
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