* season 1 *
皆で話し合って
毎日交代で私を送るという事に。
そして今日は跡部君担当。
「ごめんね、面倒かけて。」
「面倒なら最初から言ってねぇ。」
「……。」
「何だよ。」
「…私、あなたの事ただの俺様ナルシストだと思ってたけど案外良い人なんだね。」
「アーン?喧嘩売ってんのか?」
「若いのに、人を気遣えるのが凄いって言ってるの。」
「若いって同い年だろうが。」
「んー…今はね。」
「どういう意味だ。」
言っても意味ないし、信じて貰えないし
うまく説明出来る程器用じゃないし。
人に伝えるような内容じゃないしね。
「あ、家ついた。」
「このアパートか?」
「らしいよ?一人暮らしみたい。」
「みたいって、自分の事だろ。」
「こっちでも、両親は亡くなってるみたい。」
「!」
「何?」
「何って…お前、何があって氷帝に来た。」
「知っても意味ないよ、じゃあね。」
「お、おい!」
「送ってくれてありがとう、おやすみなさい。」
心配そうな顔をする跡部君を背に
私は部屋に入った。
アニメでも自信家だったあの子も
あんな顔するんだ。