*聖女の加護*
私はルナ。
ベルベット達と旅をしているの。
私の故郷が業魔に襲われて
もうダメだって思った時に
アイゼンが私を助けてくれた。
家族も、友達も…皆、死んだ。
残ったのは
お婆ちゃんから貰ったペンダント。
私には聖女の加護がついているらしくて
きっとこのペンダントが
私を護ってくれるって。
アイゼン達は
1人だった私を仲間にしてくれた。
それだけで有難いのに
私はこれ以上何を望むの?
「……。」
「あ、ルナ!」
「ベンウィッグ……。」
「ん?そんなしょぼくれた顔してどうした?」
「……ううん、何でもないよ。」
「そうか?ならいいけどさ。」
「それより、その大きな魚どうしたの?」
「これか!?ルナが来てから豊漁でさ!
聖女の加護って本当に凄いよな!」
「私は何もしてないから、よくわからないけど…。」
「だって!副長の死神の呪いも、ルナの聖女の加護で
プラスマイナスゼロなんだろ!?」
私は全くわからないし
何もしていないんだけど…
私の持ってる聖女の加護は
アイゼンの死神の呪いの効果を
相殺できるらしくて
その為に私はこの船に招き入れられた。
「私が聖女だから……。」