~想い~
兄者さんと私は
先に旅館に戻った。
「兄者さん、ごめんなさい。」
「何がだよ。」
「私の事追って、皆より先に来てくれたんですよ
ね?」
「そんな事きにすんな。おかげで良いもん貰ったし
な。」
唇を抑えながら
ニヤッとする兄者さん。
「っ……意地悪っ……。」
「お互い様だろ?」
「ただいまー!」
「あ、お帰りなさい。」
「奏ちゃん急に居なくなっちゃうから心配したよ!」
「大丈夫だった!?」
「鉄塔さん、ぺーさん、ごめんなさい……。」
「奏ちゃーん!会いたかったよぉっぐほっ!?」
「ドンさんよぉ、何回やんだ?」
「あ、兄者く……う……。」
「ただいまー!」
「遅くなってすまん。」
少し遅れて
おついちさんと美咲さんが
帰ってきた。
大丈夫だよ。
平常心。
皆がいるから
とりあえずさっきの事は
忘れなくちゃ………。