~叶わない願い~












いつの間にか

りんご飴を手に持って

夜の浜辺にいた。












どうやって

りんご飴買ったんだっけ。









どうやって

ここまで来たんだっけ。














もう

何もわからないや。

















ドンッ











「あ、花火だ……。」













大空に咲いた

大きな花は

とても綺麗で

とても切なげで

空になった私の心を

埋めてくれるようだった。














「りんご飴、美味し……。」










あの時食べた

お父さんとお母さんと食べた

あの時と同じ味。











ただ違うのは

私の周りには誰もいないという事……。
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