~再会~
結局
この人混みの中から
一人でこの子の両親を探すのは
無理だった。
なので今
スタッフの人にお願いして
探してもらっています。
「楓ちゃんは今何歳?」
「9歳だよ!」
「9歳か……ママとパパの事好き?」
「うん!大好き!ママとパパ優しいもん!」
本当だったら
私もこの子みたいに
大好きな家族がいたんだよね。
そういえば
夏になると海に行って
帰りにお祭り行って
りんご飴、よく食べたな……。
お父さんとお母さんと
皆で分けたりんご飴。
凄く美味しかった……。
「楓!」
「あ、パパ!ママぁっ!!」
「良かったぁっ……。」
「怪我はないか!?」
かえでちゃんのご両親
来てくれたんだ。
良かったね…。
「あなたが楓を……?」
「はい、泣いてるかえでちゃんを見つけて…。」
「お姉ちゃんがずっと一緒にいてくれたの!」
「そうでしたか、本当にありがとうございました!」
「とんでもないです、良かったです。」
「お姉ちゃん、ありがとう!またね!」
「うん、またね。」
私も戻ろう。
何も言わずにいなくなったから
心配してるかな……。