~モヤモヤ~
「今でもおついちさんは、美咲を思ってる。」
「そうだよね…そんなに素敵な人なんだから。」
「奏ちゃんは……美咲に似てる。」
「え…?」
「歳は少し離れてるけど、綺麗なウェーブがかった
長い髪に背が低くて守ってあげたい感じ。」
「……そうなんだ。」
おついちさんが
私に優しくしてくれる理由。
優しく包み込んでくれる理由。
それは
私が美咲さんに
似ているから……。
「奏ちゃん…?」
「弟者さん、話してくれてありがとう。」
「……無理して笑わないでいいよ。」
「弟者さん達も、美咲さんと仲良かったんでしょ?」
「あぁ…。」
「皆、美咲さんを失う事になったんだね。」
「………。」
「辛い事思い出させて、ごめんなさい。」
兄者さんが言った
深入りしない方がいいって
こういう事だったんだね。
そうだよね
おついちさんは
あんなに美咲さんを
愛しているんだから。