~ひとつ屋根の下~
「あー!美味しかった!ご馳走様でした!」
「弟者食い過ぎ。」
「そういう兄者はご飯何杯食べたの?」
「うっせー。」
「ふふっ…。」
「奏、ありがとう。美味しかったよ。」
「こんなに美味しそうに食べてくれて嬉しいです。」
綺麗に空になったお皿。
あの人はこんなに綺麗に食べてくれなかった。
気に食わなければ
口を付けずに捨てられた。
それでも
彼のためにって
毎日毎日作ってた。
私、彼の何が好きだった?
ただ一緒にいてくれる誰かが
必要だっただけなんだよね。
「奏?どうかした?」
「おついちさん…ううん、何でもない。」
もう関係ないから。
もうやめる。
私、決めたの。
私を救ってくれた
この人達の為に頑張るって。
私を見つけてくれた
おついちさんの為に頑張るって。