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asnotes

家の中さえ寒い夜、外では静かに雪が降っている。
目的が決行できるかもしれない日についてない...
紫髪にピンク色の目をしている青年が少し憂鬱な顔をして階段にある窓を見ている。階段を降りてリビングに行くと、そこにはゆりかご椅子に座り一人読書をしている青髪の青年が目に入った。

「...まだおきてたのか」

声をかけられた青年は、しおりを入れて本を閉じた。

「この本がおもしろくってね...いつの間にかこんな時間になっていたよ」

「コーヒーを入れてくれないか、飲みたくなってきたんだ...出来ればカプリゴースト産の豆の奴がいいが残ってないか?」

「二人分は残っているよ、アイスコーヒーでいいか?」

「いや良くないよ、こんな雪降って寒いのにアイスコーヒーとか馬鹿じゃないの?!ホット入れてくれよ」

聞いてる青年のほうは「ハハッ」と笑いながらコンロに近づき、ポットを置いて、コンロから火を出さず手
から火を出していた。この世界に存在する概念【魔法】と言うもので青髪の青年は平然と使うことができる。その為紫髪の青年も特に気にせず椅子に座りコーヒーを待っていた。

「この時間に起きてるってことは...研究所に潜入するのか」

「あぁそこの研究所ならあるかもしれないからな...なかったらまた他の所に探しにいかないといけないからな」

これは賭けだ、あるかもわからない無謀な賭けだがやる価値は充分にある。

「無茶はしないでくれよ、捕まるようなことがあったら助けにいけるかわからないからな」

「大丈夫大丈夫!この俺なら証拠も残さず盗んでこれるからな!...いつも心配してくれてありがとな」

迷惑をいつもかけて申し訳ない...だがあいつの為なのだから、お前にやらせたくない仕事だから。
静かに降っていた雪が突如ビューと家の中でも聞こえる程の猛吹雪に代わり、それとほぼ同時に大きな音が上から聞こえた。

「この音は研究所が破壊してくれた音だな!じゃ少し行ってくるよ」

「コーヒーは飲んでいかないのかい?丁度できたが」

「帰ってきたら飲むからテーブルにでも置いといてくれ」

「わかった...いってらっしゃい」

澄んだ声で返事をしてくれたのを境目に紫髪の青年は階段を登った。

「...アスノーツの寝相で毎日研究所にひびをつけていって、壊れた穴から侵入なんて...ばれたら怒るぞあいつは」

青年は再びゆりかご椅子に座り、また本を開き読み直した。
階段を最上階まで登ると家の壁も屋根もなく、吹雪のせいで床に雪が積もってきている。家の隣の研究所はぽっかり人一人入りそうな穴が開いており、青年の足元にあるベッドでは幸せそうに口を開けて掛け布団を抱き枕代わりにしている少女が眠っていた。

「こんな寒い場所でよく寝れるな、寝てるときは寒さ感じないのか?」

青年は少女の頭を撫でながら話している。

「お前達の為に今から研究所に侵入してくる、それまではぐっすり眠ってな...アスノーツ」

そう言うと青年は研究所の中に入っていった。
この世界は魔法と科学の技術が両立している...世界として未熟で、理由もなく魔法の文明が発展した世界と、科学の文明が発展した世界で度々戦争をしている、そんな世界の中で理不尽に生まれた少女が旅をするお話...
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