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asnotes

私はなんで空を飛んでいるんだろう...そっか同じ顔の人造人間パーフォスに話しかけて...それから...アスノーツは爆発の煙を見ながらそう思った。

トゥムル「大丈夫か!アスノーツ、何一人でほっつき歩いているんだ!」

上を見るとトゥムルが私の二の腕を両方掴んで飛んでいた。変な担がれ方だが私を助けてくれたのだろう。爆発した周りには爆発によって死体と壊れた人造人間パーフォスが、そこかしこに転がっていた。近くにいた人造人間パーフォス達は仕えている人の所を離れて爆発地を囲んで人が入らないようにしていた。トゥムルはアスノーツを持ちながら人が少ない路地裏まで走っていった。

トゥムル「いきなりいなくなって見つけたら”あの人造人間パーフォス”と一緒にいて...危険だと言ったじゃないか!」

トゥムルは怒っていた。怒られることは初めてではないが表情が変わるほど怒ることはそうそうなかったから私は身が縮みながらトゥムルの話を聞いた。話が終わると「さっき言った通り図書館を探すぞ」と言って、私の前を歩いた。歩くトゥムルの背中はいつも以上に髪で隠れているように見えた。

アスノーツ「図書館ってさどこにあるんだろうね?」

トゥムル「...どこだろうか...俺の住んでいた国リベラハーブだとどこにでも歩いてすぐ近くにあったから...この国ネクミ・ネネも歩いていれば見つかると思う」

路地裏を出て二人は人混みの多い所に入っていった。爆発した所には現場検証の為警官(手の甲にバーコードのようなものが描かれているから多分人造人間パーフォス)が来ており、現場検証で時間を食うわけにいかないし、何よりアスノーツと同じ顔の人造人間パーフォスが爆発した事を見ていた人や人造人間パーフォスがいたらアスノーツを見られたら他の人にどう思われるかわからない、とトゥムルは思い反対方向に進んでいった。

トゥムル「...アスノーツ、バッグの中にコートがあっただろ?フードが着いているやつ...それを今から着て歩いてくれ」

アスノーツ「あるけどどうして?」

トゥムル「同じ顔の人造人間パーフォスが先程爆発しただろ?...近くで爆発した人造人間パーフォスの顔を見ていた人間がいたらお前を見て怯え警官に話す可能性がある...俺達はこの都市で長居するつもりはない...アスノーツ申し訳ないがフードを被ってほしい」

アスノーツ「そうだね、私の顔と同じなんだもんね...ねぇトゥムル、私と同じ顔の人造人間パーフォスは何したいんだろうね」

トゥムル「...何がしたい...か」

同じ顔の人造人間パーフォスがここで爆発をする...奇怪だ...アスノーツと同じ人造人間パーフォスはこの国ネクミ・ネネで生まれているはずだ。例え極秘で作られていた存在でも国の偉い人達が気づくだろう。それによって何かしらの反乱、テロだと思われるだろう。もし反乱、テロなのなら人造人間パーフォスの中の声の人がやっていることだ...何の為に?トゥムルは悩みながら歩いていた。歩いていると前の方から爆発音と人の叫び声が聞こえ、少し後に煙が上がって来た。

アスノーツ「なんで爆発が?!まさか私と同じ人造人間パーフォスが?!」

トゥムル「行く方向を変えるぞアスノーツ、あっちからは爆発に怯え逃げてくる人が来るだろう、その人達に鉢合わせないように進むぞ」

アスノーツ「トゥムル、そういう人達と会った時の為に仮面とか着けていい?ムーディが前にくれたお土産の仮面なんだけどさ...」

トゥムル「...着けてると不審者と間違われるぞ...いや着けていたほうが他の人に爆発した人造人間パーフォスと同じだと思われなくてすむか」

アスノーツ「だから着けようと思ってさ!!!いい?」

トゥムル「緊急事態だからな...仕方ない」

また路地裏に行き仮面を探していると、遠くから爆発音が聞こえた。聞こえる爆発音は一か所からでなく何方向からも聞こえた。街道からは不安で叫んでいる人が座っていたり、混乱して走り回っている人がいた。仮面を着け二人は街道に出ると、爆発した事で浮いていた建物は一部落ちており、地面は荒れ、混沌としていた。二人は混沌とした街道を見て絶句していた。

トゥムル「...仮面を被ったことは正解だったかもなアスノーツ」

アスノーツ「言っといてなんだけど息苦しいからもう外したいんだけど」

トゥムル「...さっき自分で着けたいと言ったじゃないか...外すなよややこしくなるから...それとアスノーツ一つ約束してくれ」

アスノーツ「何?」

トゥムル「...もし俺が捕まるような事があったら...俺から離れるんだ」

アスノーツ「どうして?!と言うか捕まる事ってそんな事があるってトゥムルは思ってるの?!」

トゥムルは何も言わず頷くとビルに付いているテレビスクリーンから緊急ニュースが流れた。人々とアスノーツ、トゥムルは一斉にスクリーンの方に目を向けた。内容は軍用人造人間パーフォスが暴走していること、暴走している理由は他国の人の個人的運用、そしてその犯人がトゥムルであるということだった。映像には先程アスノーツを助けた時に映ったトゥムルの顔と爆発前の人造人間パーフォスが使われ、危険人物として近づかないようにとニュースで言われていた。ニュースが終わるとトゥムルの目は大きく開き驚いていた。

アスノーツ「トゥムルが危険人物...?そんなわけないじゃん!!!だって家を探しに来ただけだよ!!?」

考えていると脳裏によぎる。「人造人間パーフォスを動かしてた奴が"第3都市ブライトマウで待っている」と言う言葉。私達はまだその人物に会っていない、誰なのか特徴すら知らない人だけどトゥムルを探している。それは友人としてじゃないとこのニュースを見て改めて分かった。アスノーツが考えていると人造人間パーフォス達は仕えている人から離れ一直線にトゥムルを捕まえようと走ってきた。

トゥムル「...俺も仮面着けとけばよかったな...アスノーツお前にさっき言った通り遠くに離れろ...ばれていなければ都市から出られるはずだ」

アスノーツ「嫌だよ!トゥムルと一緒に行かせて!私は一緒に戦いたいから!」

トゥムル「馬鹿を言うなアスノーツ!一緒に戦いたいとか言っている場合じゃないんだ!さっきのニュースがお前を捕まえる為の罠だったらどうする?!」

アスノーツ「そんなわけないじゃない!!!トゥムルを捕まえる為にわざわざ偽のニュースに出してまで探してるんだよ?!それなのに私を捕まえる為の罠?!意味わかんない!!!」

トゥムル「今はわからなくてもいい...しかし俺が捕まるよりはお前が捕まる事がよくない事なんだ...すまないがそれだけはわかってほしい...それが俺と戦うことになるから」

アスノーツは口を膨らせながら逃げていった。逃げる途中トゥムルは腰に巻いていた水筒の一本から水を出して後ろの方にばらまき、その水の上を通った人造人間パーフォスの足に絡みつき凍っていった。

アスノーツ「あれも魔法?」

トゥムル「......魔法だ」

アスノーツ「私も使えるようになりたいなー!!!」

前から来る人造人間パーフォスを避けながら後ろから来る人造人間パーフォスの足止めをする、トゥムルは魔法を使っていけばいくほど額から汗の出る量が増えていき息を切らしていった。アスノーツはその異変に気付きよく見るとトゥムルの背中から血が出ていた。

アスノーツ「トゥムル!血が!それに魔法使いすぎて疲れているんじゃ?」

トゥムル「...気に...するな...それより前を気にするんだアス...ノーツ...」

アスノーツ「わかった...けどトゥムル今はどこに向かってるの?」

トゥムル「走り...な...がら地図を...見たけど...幸せの...母体という所が...ある」

アスノーツ「わかった!!!そこに行けばいいんだね!!!」

トゥムル「いや...行くのは...俺一人だ...」

アスノーツ「私が捕まるのが嫌だから?でもさトゥムルこんな状況なんだよ?!!どこにも逃げ場がないのにトゥムルのそばを離れろって!!!それにトゥムルがそんな怪我なのに一人にしたくないよ!!!...」

トゥムル「このくらいの...怪我...問題...な...」

アスノーツ「トゥムル!!!」

気絶するトゥムルを持ち上げようと立ち止まった。背中を触ると血がべっとりと付いていた。アスノーツを爆発から守った時に受けた傷でアスノーツはそれに気づき辛くいたたまれない気持ちになった。アスノーツは考えた、道の中央で立ち止まっていても人造人間パーフォスは気にせず捕まえに来ようとくる。トゥムルを癒す場所が欲しいがそんなところはここにはない事をアスノーツは分かっていた。

アスノーツ「犯人がトゥムルで爆発するのが私と同じ顔の人造人間パーフォス...なら私が危険人物だと思われれば」

閃いたアスノーツは咄嗟にフードと仮面を取った。都市の中の爆発はまだ止まない
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