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asnotes

アスノーツ「結構寝てるねムーディ」

日が沈んできており盗賊と戦ってから随分経ったが、ムーディはまだ寝ていた。

トゥムル「相当疲れてたのだろう...町に着くまでは寝かせてあげよう」

アスノーツ「そうだね...それにしてもお腹空いたぁ!!!お昼食べてからずっとあやとりしてたからお腹空いちゃった!!!」

考えながらあやとりをしていて先程までご飯の事をアスノーツは忘れていた。トゥムルは他の盗賊に会う恐れを警戒してトラックに乗ってからずっとあたりを見渡していた、するとぴかっと小さく日の光と違う光が見えた。

トゥムル「ん?あれは...」

アスノーツ「光ってるね!!!あれが町かな?」

辺り一帯白く変貌のない景色だったが夕暮れ時になった為うっすらと他の景色が見えだした。

トゥムル「多分そうだね...地図には北上したところにある町は載ってないから...俺達の目的の町だろう」

小さく光っていたは少しずつ近づくにつれ散らばって光が見え、トゥムルには木製の家々が並んでいるのが見えてきた。

トゥムル「この国では珍しいな...木製の家」

アスノーツ「もくせい...?家なんて見えないよ?」

木製の意味が分からなかったらしい。

トゥムル「木で出来ている家のことだよ、うっすらだが見える」

ふ~んと目をゆっくりとトゥムルの方に向けながら笑顔になってアスノーツは顔を近づけた。

アスノーツ「ねぇねぇ!!!先に行っていいー?」

うきうきしながら質問した。

トゥムル「一人で行くのはだめだ」

アスノーツ「ならトゥムルついてきてよ!!!お腹空いた!!!」

トゥムル「ムーディをこのまま寝かせとくわけにはいかないよ...起こすから少し待ってアスノーツ」

トゥムルはムーディの肩を揺らし起こそうとしたが熟睡していたため起きなかった。お腹が空きすぎたアスノーツは「先行ってくるー!!!」と言ってトラックを降り走って行ってしまった。

トゥムル「...勝手に行くってよっぽどお腹空いてたのか...おいムーディ起きろ、このままごみと一緒に捨てられてもいいのか」

そんな起こしてくれるトゥムルの事をお構いなしにムーディはまだ夢を見ていた。
先程の夢と変わり辺りは色んな機械が置いてあり大半が破壊されていた。周りには軍服を着たホッグニーヅレイスが何人かおり、後ろにはトゥムルが座っており少女を抱きかかえていた。

ムーディ「...今度はトゥムルと最後に行った任務か...だとするとここはあの研究所か」

夢の中のムーディは何かの紙面を見つめており目の隅からトゥムルが泣きながら叫んでいるのが見えた。

トゥムル「なんで!俺達が破壊しに来たのはここにある爆弾だろ!なんで!人の形してる!なんで生きてんだよ!」

ムーディ「わかれよトゥムル、この国は人造人間パーフォスを生業としてるんだ、ここに来る前にわかってたことだろ」

トゥムル「じゃあ命の倫理は...死ぬことで価値あることがなんの意味があんだよ!...この子は...幸せを知らないで俺達が...俺が殺さないといけないというのかよ...」

ムーディは黙って話を聞いていた。

トゥムル「ムーディ...俺達がここに来る前日言ったこと覚えているか?この戦争に意味があるのかって...双方の命が無意味に落ちていくこの行動が...正しいのか?間違っているのか?」

トゥムルはムーディを見て言った。

トゥムル「俺は軍を抜ける、この子の...この子に幸せを教える...楽しいことを!笑顔を!...俺が育てる...死ぬことが役目なんて事を変えてやる!」

ムーディ「あ、あぁ俺も賛成だ...その子を助けよう」

動揺した口振りでムーディは答えた。トゥムルの叫びは部屋の外に漏れており部屋の外にいた隊員が一人入ってきた。

隊員「トゥムル隊長どうしまし...」

ムーディが隊員に右手を向けた途端、隊員は入ってきてすぐ倒れた。それと同時にトゥムルは涙の流れは止まりムーディのした行動に驚きを隠せなかった。

トゥムル「ムーディ...何をした?」

ムーディ「...記憶を...××た」

トゥムル「どうしたいきなり息切れして...記憶を××た?...もしかしてそれがお前の”能力”だったのか?」

ムーディは見ていた紙面をバッグに詰め右手をトゥムルに向けた。

ムーディ「...今のお前に言っても全て忘れるから...お前が言ってたその子を育てること...俺も手伝ってやる、だから俺のやることを聞いてくれ」

トゥムル「何をすればいい」

ムーディ「メモを渡しておく、その通りに動けばいい...まぁこの言葉も忘れるがな」

そういうとトゥムルも倒れた、ムーディはトゥムルの抱きかかえていた少女の頭を撫でた。

ムーディ「お嬢ちゃん...俺はお前を”壊さない”...だけど俺の仲間はお前を見たら壊すだろう...それが任務だからな、だからここでトゥムルと待っててくれ」

そういうと少女倒れた、ムーディはトゥムル達がいる部屋を出た。すると見ている夢の中は背景から崩れ落ちてゆきムーディは夢から目を覚ましたことを理解した。

トゥムル「おいムーディ起きろ!そろそろ町を通り過ぎちゃうぞ!」

ムーディの頭はヘッドバンギングの如く揺らされていて、起きたのを確認するとトゥムルは揺らすのをやめた。ムーディは小さい声で「おはよう」と言い驚いた顔をしていた。

トゥムル「おはようじゃねぇ、アスノーツが先に町いっちまった、早く追うぞ」

ムーディ「あいつが?!今まで勝手に一人行動しなかっただろう?!」

トゥムル「お腹空いたらしくてな、言うこと聞かず行っちゃったよ」

ムーディ「昼飯食っただろあいつ!でも私の弁当なかったのかい?」

トゥムル「昼にアスノーツが全部食べたよ」

やれやれと少し落胆した顔をムーディはして、二人はトラックを降りた。そんな中アスノーツは町についていた。町の正面と思わしき所には木製のアーチがあり奥には家々が並んでいた。

アスノーツ「ほんとに木で家が出来てる、木で家作れるんだ...」

家に見とれていると脇の方に背が小さい老いた男性が座っていた。アスノーツは人に話しかけたことがない為話しかけようか戸惑っていた。

アスノーツ「どうしよ...ムーディみたいに気さくに話しかける方法わかんないし...けど話しかけないとお店の場所わかんない」

悩み悩んだ末に話しかける決心をつけてそこにいる男性に話しかけようとしたら誰かに後ろから肩を掴まれた。

???「ここは治安が悪いからむやみやたらに話しかけるのはやめたほうがいいよお嬢ちゃん」

振り向くと長い紫髪と耳横に尖ったヘッドホンのようなものをつけた特徴的な女性がいた。アスノーツは前に紫髪の人を見たら警戒したほうがいいとトゥムルに言われていた為、少しにらんだような目つきをして女性の顔を見つめた。

???「お店を探してるって言ってたね、どういう店?」

女性は優しい口調で話しかけてくる。

アスノーツ「あっ...えっとご飯...処...」

警戒してることもあるがムーディとトゥムル以外と話したことがない為、緊張して流れるように話すことが出来なかった。

???「ご飯処?それならお嬢ちゃんが好きそうな飲食店はないなぁ...酒場でもいいなら案内するよ」

どう答えればいいかわからずアスノーツは、ずっとにらむ状態になってしまった。そんなときお腹から「くー」とお腹がなってしまい、お腹を抱え恥ずかしがった。

???「よっぽどお腹が空いてるようだね...ほらお姉さんについてきな」

そういうと女性は「こっちこっち」と言いながら一緒に歩くことになった。

???「お嬢ちゃん名前は?」

アスノーツは答えなかった。が女性は特に気にした様子もなく他の話をした。

???「そういえばここに何しに来たんだい?お嬢ちゃん一人で来るところにしちゃあおかしい所だぜ?」

ムーディとアスノーツが用事があって来たなんて正直に言うのも良くないしな、とアスノーツは少し悩みながら答えた。

アスノーツ「ムーディが会う人がいるって言ってたから来ました」

結局正直に言ってしまった。と気づき、でもムーディの名前だけだからいいかなと思い訂正せず話を聞いた。

???「ムーディねぇ...名前聞いたことあるなぁ...お尋ね者じゃなかったっけ?この町にくる人は他の国から逃げて来たお尋ね者がほとんどだからお嬢ちゃんの知り合いのムーディ君もお尋ね者なんじゃないの?」

アスノーツはムーディがお尋ね者かどうかは見たことなかった為話の内容が理解できてなかった。

???「さぁ着いたよ!ここが酒場だ!ちなみに隣は私の...お家!」

酒場の前で意味もなく家と酒場を指さして説明してくれた。中に入ってみると色んな種族の人が多くおり怖い顔の人が何人かいた。

???「邪魔するよ~マスター美味しい飯をお嬢ちゃんに金は私が出すから」

アスノーツ「トゥムルが金の借り貸しはダメだって言ってたから私出します」

???「いいよいいよ、それにしてもさっきトゥムルと言う名前は出さなかったね?その子も一緒にここにきている子かい?」

お金のことを気にするあまりについ口が滑りトゥムルの名前も言ってしまった。とムーディの時とは違い目が見開くほど驚いていた。

???「まぁいいや、お姉さんとお話しない?お嬢ちゃんが嫌なら聞いてるだけでもいいからさ」

この自己中心的な話っぷりはどことなくムーディに似ているとアスノーツは感じていた。
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