恋人、幼馴染み、同級生。いろんなシチュエーションあります。
バレンタイン
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「ねぇ。この前のアレもう一回食べたいんだけど」
『この前のアレ?…あ、チョコの事?」
「そう、それ、結構俺の好みだったんだよね」
バレンタインも過ぎてちょっとした頃。
コタツに入ってぬくぬくしながら漫画を読んでると、同じく向かい側でぬくぬくしている黛くんに声をかけられた。
悩みに悩んで作ったちょっと自信のあるチョコを気に入ってくれてたみたいで嬉しい。
『良いけど、ただあげるの面白くないしなあ…』
「え、なに。もしかして彼氏にあげる手作りチョコに面白さ求めてるの」
『かれっ…や、違くて。一緒に作りたいなあって、黛くんと』
「あぁ、そう言う事。お菓子作りか…まあ、なまえと一緒だったらやっても良いかな」
最近は少しの変化に気付けるようになってきた私でも凄い分かるくらい楽しそうな彼の姿にほっこりしてしまう。"私の求める黛くん"じゃなくて素の彼を見せてくれるようになってくれたのは大きな一歩だ。
「なに、じっと見て。そんなに俺の顔みたいの」
『へ?あの、ええ、はい、とても良いお顔でしたので』
「なにその敬語、急すぎでしょ。そんなに見たいたら見せてあげるからこっち来なよ」
『このままでもよく見えますよ黛さん』
今そっちに行ったらめちゃくちゃからかわれそうな気がしかしない。何されるか分かんないし、分かるけど恥ずかしいから分かりたくないし。
そんなこんな考えてると「いいから、早く」と急かされてしまった。
渋々、と言ってはなんだけど彼の隣に座る。今さっきまで居た私の居場所に視線を向けて。
「いや、そっち見てたら俺の顔見れないでしょ」
『ごもっともです。黛さん」
「じゃあ、こっち向いてくれると助かるんだけど」
仕方なく顔だけ彼の方へ向ける。良い顔してるなあ、相変わらず。無表情だけど。
視線が交差する中めちゃくちゃに心臓が煩くなっていく。今何を考えてるのかなあ、なんて思ってると私の頬に手を添えてきた。やばいこれはやっぱりそんな雰囲気だ。
『あ、あの、黛くん?』
「なに」
『えーっと、今日は暑いですね』
「今この状況で温度デッキぶっ込んでくるの凄いね」
気を逸らそうと思って言った言葉も全然効いてなくて徐々に顔が近付いてくる。
「目、つむっててよ」
いつもより甘い感じの声で言われちゃったらその通りにするしかないじゃないか。
引っ付いて開かなくなるんじゃないかってくらいぎゅっと目を閉じると、くすくすと笑い声が聞こえてくる。これはしてやられた。
「なまえってこんな状況になったらそんな反応見せるんだ。面白いね」
『からかいましたね、黛くん。わかってたけど!』
「あまりにも必死だったからね、唇へのキスはまだ早いかなって思ったんだけど」
頬に柔らかい感触。何をされたのか理解するのにちょっとだけ時間がかかった、一気に顔に熱が集中するのがわかっちゃう。
「ほっぺたなら良いかなって」
バレンタインが過ぎ、ホワイトデー間近のお話。