After 5 years
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「消えるのは死神の殺し方だけだな。DEATHNOTEに関する記憶は残るんだと。なんでも、DEATHNOTEを使ったのに準ずるってだけらしいからな? ま、そこんところはオレにもよく分からんが、ジジイが言ってたんだから間違い無いだろ。うん」
私はシキの名前が書かれたDEATHNOTEの1ページをもう一度折り畳んでポケットに仕舞った。
「少し考えます。リンゴは持って帰って下さい。人間界の時間で3日後の夜11時に、またここでお会い出来ますか? 返答はその時に」
「またリンゴ用意しといてくれるなら良いぜ。3日後だな」
両手でリンゴを抱えた死神が空へと舞い上がる。青空に死神とはシュールな光景だ。5年前のあの頃……夜神月はこんな光景を毎日見て居たのだろうか。
「やはり月君の精神力は並大抵では無さそうです」
ーー3日後ーー
ワイミーズハウスに夜神月を呼び出した。
キラだった時の自白映像から、彼が死神の殺し方に思い至って居る可能性は大いにある。少し大人びた彼は当然の様に頷いた。
「DEATHNOTEを延命の為に使う事で、死神は殺せる。当時の僕は殺す事に懸命で誰かを延命させようなどと考えもしなかったけど、今思えばそう言う使い方も有ったのかなって、後悔してるよ」
彼なりにキラだった時の事を日々考えながら過ごして居る様だった。
Lが提供した捜査本部その他の夜神月に関する映像、その他断片的な情報などから彼はかなり正確にキラ事件の事を、延いては己がキラとして生きていた頃のことを把握して居る様だった。
「やはり、月君は頭がいいですね。こんな結果になってしまった事は残念です」
「いや、良いんだ竜崎。僕は今の生活を案外気に入って居るからな。
それに、罪滅ぼしと言うには烏滸がましいかもしれないけれど、シキさんを生き返らせることが出来るなら僕の寿命をいくらでも使ってくれて構わない。いや、使ってくれ」
目の前の彼の変わりように、私は目を見開いた。5年と言う歳月はここまで人を変えるのか、それともこれが本来の彼なのか。
私は彼には何も答えずに、夜神月のいる部屋を後にした。もうそろそろ約束の時間だ。
夜の丘は闇に沈んでいる。僅かな月明かりが散りかけの桜の木々を白く浮かび上がらせる。
「シキ貴女がどれだけ愛されていたのか知っていますか? 月君は兎も角、ワタリ、マット、メロ、ニア、ロジャー勿論アイバーも自分の寿命から少しずつシキの為に使って欲しいと申し出がありました」
自分の口角が僅かに上がるのを自覚する。
「勿論、使うのは私の寿命のみです。シキ、貴女に叱られるのは私だけでいい」
「どうやら決まったようだな? って言うか探したぜ? 集合場所違うだろ?」
背後で死神がリンゴを齧っている。
「ですからここまでリンゴの道を作ったではないですか。
……死神の殺し方を忘れます、代わりにシキを生き返らせる。これが私たちの答えです」
私はシキの名前が書かれたDEATHNOTEの1ページをもう一度折り畳んでポケットに仕舞った。
「少し考えます。リンゴは持って帰って下さい。人間界の時間で3日後の夜11時に、またここでお会い出来ますか? 返答はその時に」
「またリンゴ用意しといてくれるなら良いぜ。3日後だな」
両手でリンゴを抱えた死神が空へと舞い上がる。青空に死神とはシュールな光景だ。5年前のあの頃……夜神月はこんな光景を毎日見て居たのだろうか。
「やはり月君の精神力は並大抵では無さそうです」
ーー3日後ーー
ワイミーズハウスに夜神月を呼び出した。
キラだった時の自白映像から、彼が死神の殺し方に思い至って居る可能性は大いにある。少し大人びた彼は当然の様に頷いた。
「DEATHNOTEを延命の為に使う事で、死神は殺せる。当時の僕は殺す事に懸命で誰かを延命させようなどと考えもしなかったけど、今思えばそう言う使い方も有ったのかなって、後悔してるよ」
彼なりにキラだった時の事を日々考えながら過ごして居る様だった。
Lが提供した捜査本部その他の夜神月に関する映像、その他断片的な情報などから彼はかなり正確にキラ事件の事を、延いては己がキラとして生きていた頃のことを把握して居る様だった。
「やはり、月君は頭がいいですね。こんな結果になってしまった事は残念です」
「いや、良いんだ竜崎。僕は今の生活を案外気に入って居るからな。
それに、罪滅ぼしと言うには烏滸がましいかもしれないけれど、シキさんを生き返らせることが出来るなら僕の寿命をいくらでも使ってくれて構わない。いや、使ってくれ」
目の前の彼の変わりように、私は目を見開いた。5年と言う歳月はここまで人を変えるのか、それともこれが本来の彼なのか。
私は彼には何も答えずに、夜神月のいる部屋を後にした。もうそろそろ約束の時間だ。
夜の丘は闇に沈んでいる。僅かな月明かりが散りかけの桜の木々を白く浮かび上がらせる。
「シキ貴女がどれだけ愛されていたのか知っていますか? 月君は兎も角、ワタリ、マット、メロ、ニア、ロジャー勿論アイバーも自分の寿命から少しずつシキの為に使って欲しいと申し出がありました」
自分の口角が僅かに上がるのを自覚する。
「勿論、使うのは私の寿命のみです。シキ、貴女に叱られるのは私だけでいい」
「どうやら決まったようだな? って言うか探したぜ? 集合場所違うだろ?」
背後で死神がリンゴを齧っている。
「ですからここまでリンゴの道を作ったではないですか。
……死神の殺し方を忘れます、代わりにシキを生き返らせる。これが私たちの答えです」