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「シキ、後1分で作業を終えますから、それからお茶を飲みながら話しましょう。流石に糖分が切れてきました」
エルはそう言いながらも、キーボードをエル独特の人差し指のみで打つ打ち方で入力し続けている。
カタカタと音が鳴っていたのが丁度1分で止まる。
くるりと椅子を半回転させてから飛び降りて、ソファーの上に座ったエルは早速角砂糖に手を伸ばす。ついでに私の口にも一つ押し込んで来た。
「むぐ……(口の中じゃりじゃりする)」
「松田が言うには、『清掃員のおばちゃんと事務局長が怪しい!』との事です。調べて分かったのですが今日爆破のあった病院の院長は学会で居ません。となると事務局長が実質今現在の病院内のトップで、事の対応に当たっているそうです」
「清掃員と事務局長……まさか」
「はい、なので残りの爆破箇所も清掃員と施設の管理員を重点的に洗い出しをする様に警察に指示しておきました」
「昨今の施設の清掃員は清掃のプロだけでは無くて危険物発見などの研修も受けたプロが多いって聞くから、多分その線で間違いないと思う」
紅茶を淹れながら先程まで見ていたデータを記憶の中から洗い出す。
「警察から送られてきたデータを見る限り、電話やメールを使った連絡手段ではなさそう。かと言ってどこかの宗教団体みたいに集会があるわけでも無いし、となると手紙などの集配物が連絡手段?」
「可能性はありますね」
あの? エル? 何故にせっかく座ったソファーから降りてこっちに移動してくるのだろう。隣に座ったエルが首筋を触る。
「ふふ、くすぐったい」
「……こんな事態でなければ」
触れるだけだった手が肩に回る。
「エル?」
「シキ、無理はしないでください。私、それはもう、そろそろ色々と限界なので」
「……う、ん?」
肩に回った手に力が込められてコツンと額と額が打つかる。
どこまでも深い黒い瞳と視線が合う。
「約束ですよ」
「……はーい」
ケーキとドーナツ、クッキーにカットフルーツ、結局ワタリが用意して行った全ての物を少しずつ出して来たのだけど、エルはまたケーキに手を付けている。
「ほら、シキも少し糖分を摂って下さい」
そう言ってエルは苺を口元に運んでくる。
「それにしても、犯人側からの要求もアレっきりですね。何か動きがあれば警察から連絡が来るはずですが」
絶妙なタイミングでワタリが捜査本部へ顔を出す。
「そろそろお茶の用意をと思ったのですが、少し遅かった様ですね。犯人側からの要求らしき物が警察に届いた様です。メールの文面を転送してもらいました、確認なさいますか」
頷くと、ワタリがモニターを切り替える。
「要求に変わりなしですか。時間と場所を指定してきた様ですね」
そもそも、要求はしてくるけど交渉には応じない腹積りなのだろう。
「警察は交渉しようにも出来ずにお手上げの様です」
ワタリが困った様に告げる。
「何がしたいのでしょね、この犯人は」
エルはそう言いながらも、キーボードをエル独特の人差し指のみで打つ打ち方で入力し続けている。
カタカタと音が鳴っていたのが丁度1分で止まる。
くるりと椅子を半回転させてから飛び降りて、ソファーの上に座ったエルは早速角砂糖に手を伸ばす。ついでに私の口にも一つ押し込んで来た。
「むぐ……(口の中じゃりじゃりする)」
「松田が言うには、『清掃員のおばちゃんと事務局長が怪しい!』との事です。調べて分かったのですが今日爆破のあった病院の院長は学会で居ません。となると事務局長が実質今現在の病院内のトップで、事の対応に当たっているそうです」
「清掃員と事務局長……まさか」
「はい、なので残りの爆破箇所も清掃員と施設の管理員を重点的に洗い出しをする様に警察に指示しておきました」
「昨今の施設の清掃員は清掃のプロだけでは無くて危険物発見などの研修も受けたプロが多いって聞くから、多分その線で間違いないと思う」
紅茶を淹れながら先程まで見ていたデータを記憶の中から洗い出す。
「警察から送られてきたデータを見る限り、電話やメールを使った連絡手段ではなさそう。かと言ってどこかの宗教団体みたいに集会があるわけでも無いし、となると手紙などの集配物が連絡手段?」
「可能性はありますね」
あの? エル? 何故にせっかく座ったソファーから降りてこっちに移動してくるのだろう。隣に座ったエルが首筋を触る。
「ふふ、くすぐったい」
「……こんな事態でなければ」
触れるだけだった手が肩に回る。
「エル?」
「シキ、無理はしないでください。私、それはもう、そろそろ色々と限界なので」
「……う、ん?」
肩に回った手に力が込められてコツンと額と額が打つかる。
どこまでも深い黒い瞳と視線が合う。
「約束ですよ」
「……はーい」
ケーキとドーナツ、クッキーにカットフルーツ、結局ワタリが用意して行った全ての物を少しずつ出して来たのだけど、エルはまたケーキに手を付けている。
「ほら、シキも少し糖分を摂って下さい」
そう言ってエルは苺を口元に運んでくる。
「それにしても、犯人側からの要求もアレっきりですね。何か動きがあれば警察から連絡が来るはずですが」
絶妙なタイミングでワタリが捜査本部へ顔を出す。
「そろそろお茶の用意をと思ったのですが、少し遅かった様ですね。犯人側からの要求らしき物が警察に届いた様です。メールの文面を転送してもらいました、確認なさいますか」
頷くと、ワタリがモニターを切り替える。
「要求に変わりなしですか。時間と場所を指定してきた様ですね」
そもそも、要求はしてくるけど交渉には応じない腹積りなのだろう。
「警察は交渉しようにも出来ずにお手上げの様です」
ワタリが困った様に告げる。
「何がしたいのでしょね、この犯人は」