日日是好日
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屋上でピクニックをしてから一週間。
リハビリと称して、天気の良い日はエルと散歩に出かけるのが習慣となった。 日中になると暑いぐらいの気温になってきた。ワイミーズハウスの子供達は強い日差しもなんのその、元気に屋外を飛び回っている。その元気な声を背に散歩から家へと戻って来る道中で飛び跳ねて手を振る人影に目を細める。
「ねえ、エル。あれって……」
「弥海砂……」
私たちが顔を見合わせている間に弥海砂の通る声が響いた。
「ライトー、竜崎さん達いたよー」
どうやら夜神君も来ているようだ。
「面倒ごとでなければ良いんですが」
エルが差し出した手を繋ぎ、やや早めの歩調で、弥海砂の前まで向かう。
「竜崎、シキさん、久しぶりぃ〜」
さすが女優さん5年の歳月など無かったように変わらない風貌をしている。
「竜崎、実は頼みがあるんだ」
夜神君もすぐに、合流して話し出す。
「今家の方を訪ねたんだが、誰もいなくて。シキさんと散歩してたのか?」
夜神君の問いに頷き、とりあえず家の中へと、促す。
「シキちゃん、全然変わらないー。竜崎さんもだけど」
弥海砂の鋭い視線から逃れるようにキッチンに逃げ込んでお茶を淹れる。
「海砂さんも、なかなか鋭いですね」
「エル」
キッチンに入ってきたエルが抱えていた段ボール箱をテーブルの上に下ろす。中には何種類かの野菜が入っていた。
「月君からの手土産です。たまには甘味でも買ってくれば良いものを、毎回毎回農産物では、芸が無いと思いませんか?」
などと文句を言いつつ、カップとティーポットの乗ったお盆を運んでくれるエル。お茶請けのクッキーと一緒に、オレンジを切って盛り付けた皿を持ってエルの後を追う。
「夜神君、野菜ありがとうございます。私は食べませんが」
「竜崎には期待してないよ。シキさんの為に持ってきたんだ。野菜は身体の調子を整えるって言うからな」
「え? シキちゃんどこか調子悪いの?」
弥海砂が心配そうにこちらを見上げてくる。
「少し体調を崩していただけです。元々丈夫な性質では有りませんからね」
エルがさらりとかわして、夜神君を睨む。なんというかこの状況、5年も経っていると言う実感がどんどん薄れていく……
「それで、今日はどんな用が有って来たんですか?」
「竜崎、暫くの間海砂を預かってくれないか?」
「……何故そうなるのです?」
女優としてハリウッドで活躍している海砂さんは休暇を兼ねて、夜神君の働いている農園を訪ねてきていたらしい。
「そう言う言い方をすると聞こえは良いけど、撮影が嫌で逃げてきたんだろ。せめて連絡してからにしてくれないと、僕だって急には困るんだ」
今現在夜神君は農園から少し離れたところに部屋を借りて一人暮らしをしているらしい。
「海砂さん1人ぐらい泊めてあげれば良いじゃ無いですか。それともそんなに汚いんですか? 部屋」
エルがじとりとした視線で夜神君を眺める。
夜神君の事だから綺麗に生活していると思うんだけど……
「そう言う問題じゃ無い。海砂は女優が仕事だろ、スキャンダルになりうる事は避けるべきだ」
「えー、月となら、海砂良いよー?」
夜神君の腕にぎゅっと抱きついて、甘えた声で海砂さんが言うと、夜神君は『海砂は黙ってるんだ』と大人しくさせて、こちらに頭を下げた。
「頼む。竜崎、他に頼れる人が居なくて……」
エルと顔を見合わせて思案する。私もエルもあまり騒がしいのは遠慮したい……ワイミーズハウスにでも押し付けちゃおうか?
「ロジャーに連絡を取ってみます。海砂さん、どのぐらい滞在する予定ですか?」
エルの問いに海砂さんは指を一本立てた。
「えっと、1週間?」
「えー? コレは、1ヶ月でしょ? シキちゃん!」
またしても、私とエルは顔を見合わせてため息をついた。
リハビリと称して、天気の良い日はエルと散歩に出かけるのが習慣となった。 日中になると暑いぐらいの気温になってきた。ワイミーズハウスの子供達は強い日差しもなんのその、元気に屋外を飛び回っている。その元気な声を背に散歩から家へと戻って来る道中で飛び跳ねて手を振る人影に目を細める。
「ねえ、エル。あれって……」
「弥海砂……」
私たちが顔を見合わせている間に弥海砂の通る声が響いた。
「ライトー、竜崎さん達いたよー」
どうやら夜神君も来ているようだ。
「面倒ごとでなければ良いんですが」
エルが差し出した手を繋ぎ、やや早めの歩調で、弥海砂の前まで向かう。
「竜崎、シキさん、久しぶりぃ〜」
さすが女優さん5年の歳月など無かったように変わらない風貌をしている。
「竜崎、実は頼みがあるんだ」
夜神君もすぐに、合流して話し出す。
「今家の方を訪ねたんだが、誰もいなくて。シキさんと散歩してたのか?」
夜神君の問いに頷き、とりあえず家の中へと、促す。
「シキちゃん、全然変わらないー。竜崎さんもだけど」
弥海砂の鋭い視線から逃れるようにキッチンに逃げ込んでお茶を淹れる。
「海砂さんも、なかなか鋭いですね」
「エル」
キッチンに入ってきたエルが抱えていた段ボール箱をテーブルの上に下ろす。中には何種類かの野菜が入っていた。
「月君からの手土産です。たまには甘味でも買ってくれば良いものを、毎回毎回農産物では、芸が無いと思いませんか?」
などと文句を言いつつ、カップとティーポットの乗ったお盆を運んでくれるエル。お茶請けのクッキーと一緒に、オレンジを切って盛り付けた皿を持ってエルの後を追う。
「夜神君、野菜ありがとうございます。私は食べませんが」
「竜崎には期待してないよ。シキさんの為に持ってきたんだ。野菜は身体の調子を整えるって言うからな」
「え? シキちゃんどこか調子悪いの?」
弥海砂が心配そうにこちらを見上げてくる。
「少し体調を崩していただけです。元々丈夫な性質では有りませんからね」
エルがさらりとかわして、夜神君を睨む。なんというかこの状況、5年も経っていると言う実感がどんどん薄れていく……
「それで、今日はどんな用が有って来たんですか?」
「竜崎、暫くの間海砂を預かってくれないか?」
「……何故そうなるのです?」
女優としてハリウッドで活躍している海砂さんは休暇を兼ねて、夜神君の働いている農園を訪ねてきていたらしい。
「そう言う言い方をすると聞こえは良いけど、撮影が嫌で逃げてきたんだろ。せめて連絡してからにしてくれないと、僕だって急には困るんだ」
今現在夜神君は農園から少し離れたところに部屋を借りて一人暮らしをしているらしい。
「海砂さん1人ぐらい泊めてあげれば良いじゃ無いですか。それともそんなに汚いんですか? 部屋」
エルがじとりとした視線で夜神君を眺める。
夜神君の事だから綺麗に生活していると思うんだけど……
「そう言う問題じゃ無い。海砂は女優が仕事だろ、スキャンダルになりうる事は避けるべきだ」
「えー、月となら、海砂良いよー?」
夜神君の腕にぎゅっと抱きついて、甘えた声で海砂さんが言うと、夜神君は『海砂は黙ってるんだ』と大人しくさせて、こちらに頭を下げた。
「頼む。竜崎、他に頼れる人が居なくて……」
エルと顔を見合わせて思案する。私もエルもあまり騒がしいのは遠慮したい……ワイミーズハウスにでも押し付けちゃおうか?
「ロジャーに連絡を取ってみます。海砂さん、どのぐらい滞在する予定ですか?」
エルの問いに海砂さんは指を一本立てた。
「えっと、1週間?」
「えー? コレは、1ヶ月でしょ? シキちゃん!」
またしても、私とエルは顔を見合わせてため息をついた。