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「シキ」
エルに呼ばれて振り返るといつの間にかピクニックシートが敷かれて居て、その上にはワタリが持たせてくれたのだろうクッキーやサンドイッチ、キャラメルにカットフルーツなどが出されている。
「そんなに屋上が物珍しいですか?」
踵を踏み潰したスニーカーを脱ぎ捨ててピクニックシートに座ったエルが魔法瓶からお茶を注ぎながらこちらを見上げている。
「うん、ワイミーズハウスの事も大体のことは知っているつもりだったんだけどね。
ワタリとロジャー、それからエルはともかく、マットも屋上のこと知ってたんだ……なんか悔しいなあと思って」
首を巡らせて辺りを見回したエルがタバコの吸い殻に目を止めた。
「Lの休暇の影響でマットも暇そうなので、掃除でもさせましょう。全く、『目につかない場所で吸いなさい』とあれほどロジャーから言われているんですけどね」
どこか呆れた様に言うエルに、だからマットはここまで来てタバコを吸ってたんじゃないかなぁと思った。
「さあ、座ってください。お茶にしましょう」
いつもの座り方をしたエルが隣をトントンと叩く、促されるままに座ってエルが差し出した紅茶を受け取った。
「懐かしいです、エフや真希さんと昔こうしてお茶をした事がありました。そう言えば、貴女の墓前には報告をしたのですが、貴女にはまだ言ってませんでしたね、今年の夏に真希さんがイギリスに短期留学に来るそうです。ワタリが楽しみにして居ました」
「真希ちゃんも大きくなったんだろうね、今高校2年生ぐらい? 会えるのが楽しみ」
「そうです。普段あまり話さないエフが喜んでオパールやオニキスに話をするのでうちの子たちも楽しみにしてます。多分タイプ的にオパールと馬が合うでしょうね」
のんびりとエルと話していると、いくつかの足音が聞こえてきた。
「ロジャーとワタリ……じゃ無さそうだね」
「どうやら勘付かれた様ですね。しかしこの場所まで探し当てるとは……」
二人して室内へと繋がるドアの方を見つめる。バンッと勢いよく開いた扉の向こうから、オパール、オニキス、エフ、マット、メロ、ニアがゾロゾロと上がってきた。
「お父さんずる〜い。私だってお母さんとピクニックしたい‼︎」
「父さん、抜け駆け……」
「!」
オパール、オニキス、エフがこちらまで駆け寄ってきてピクニックシートに上がり込む(エフはオパールに引っ張られて)。
ニアとメロは物珍しそうに、辺りを見回して、地上を覗き込んだり、物置の中を確かめたりしている。
「いやーとうとうバレちゃったよ。ここでなら誰にも見つからずにタバコを楽しめると思ってたのにな」
1人嘆いているのはマットだ。
「マット、吸い殻の始末をきちんとしなければタバコを取り上げますよ?」
すかさずエルの注意が入る。
「えー、……はい」
渋々吸い殻を拾い始めたマット以外がピクニックシートに座ると、それほど大きくは無いシートはいっぱいだ。
「シキ、チョコレートくれ」
メロが私の目の前にあるチョコレートを強請ると、スッと白い手を伸ばしてそれを取り上げるエル。
「これは私とシキのです」
二つあったうちの1つの包み紙を破き口に含むエル。次の瞬間片手で抱き寄せられて口付けが降って来る。エルの舌が口をこじ開け、幾分小さくなったチョコレートを残して離れて行く。
「……エル」
大人気なく残り一つのチョコレートも頬張るエルにメロが舌打ちする。
「メロ、キャラメルあげるよ」
オニキスが慰める様に、キャラメルを差し出す。さっきエルが撒き餌だと言ってベットの上に残して来たキャラメルだ。
「ニアにも一つどうぞ」
オパールが笑顔で差し出したキャラメルをニアが受け取る。
「俺座るとこ無いんだけど……」
1人立ったままのマットが言うと、メロが面倒臭そうに直に座ればいいだろと応える。
ニアが興味なさそうに一瞥して、オパールとオニキスはマットを振り返るも、横にずれる気は無さそうだ。
皆んなが詰めればマット1人分ぐらいならなんとか座れそうなんだけど……
しょんぼりと肩を落として、床にそのまま座ったマットの肩を叩いて、エフが無言でクッキーを差し出す。
「お、くれるの? エフは良い子だなぁ。それに比べて、皆んな俺に冷たいよねー。エフだってそう思うだろ? 何この塩対応、俺なんかした? いやマジで」
「お前は生活態度悪いからな。マットの真似をするなよ、不良になるぞ」
自らの出立の方がよっぽど不良の様に見えるメロにすかさずニアが突っ込む。
「貴方がそれを言いますか? メロ」
ワイワイと楽しそうに手を伸ばして思い思いにお菓子を手にする子供組3人は全く聞いている様子がない。
エルが大きく溜息をついた。
「こうなる予感はしてました……」
エルに呼ばれて振り返るといつの間にかピクニックシートが敷かれて居て、その上にはワタリが持たせてくれたのだろうクッキーやサンドイッチ、キャラメルにカットフルーツなどが出されている。
「そんなに屋上が物珍しいですか?」
踵を踏み潰したスニーカーを脱ぎ捨ててピクニックシートに座ったエルが魔法瓶からお茶を注ぎながらこちらを見上げている。
「うん、ワイミーズハウスの事も大体のことは知っているつもりだったんだけどね。
ワタリとロジャー、それからエルはともかく、マットも屋上のこと知ってたんだ……なんか悔しいなあと思って」
首を巡らせて辺りを見回したエルがタバコの吸い殻に目を止めた。
「Lの休暇の影響でマットも暇そうなので、掃除でもさせましょう。全く、『目につかない場所で吸いなさい』とあれほどロジャーから言われているんですけどね」
どこか呆れた様に言うエルに、だからマットはここまで来てタバコを吸ってたんじゃないかなぁと思った。
「さあ、座ってください。お茶にしましょう」
いつもの座り方をしたエルが隣をトントンと叩く、促されるままに座ってエルが差し出した紅茶を受け取った。
「懐かしいです、エフや真希さんと昔こうしてお茶をした事がありました。そう言えば、貴女の墓前には報告をしたのですが、貴女にはまだ言ってませんでしたね、今年の夏に真希さんがイギリスに短期留学に来るそうです。ワタリが楽しみにして居ました」
「真希ちゃんも大きくなったんだろうね、今高校2年生ぐらい? 会えるのが楽しみ」
「そうです。普段あまり話さないエフが喜んでオパールやオニキスに話をするのでうちの子たちも楽しみにしてます。多分タイプ的にオパールと馬が合うでしょうね」
のんびりとエルと話していると、いくつかの足音が聞こえてきた。
「ロジャーとワタリ……じゃ無さそうだね」
「どうやら勘付かれた様ですね。しかしこの場所まで探し当てるとは……」
二人して室内へと繋がるドアの方を見つめる。バンッと勢いよく開いた扉の向こうから、オパール、オニキス、エフ、マット、メロ、ニアがゾロゾロと上がってきた。
「お父さんずる〜い。私だってお母さんとピクニックしたい‼︎」
「父さん、抜け駆け……」
「!」
オパール、オニキス、エフがこちらまで駆け寄ってきてピクニックシートに上がり込む(エフはオパールに引っ張られて)。
ニアとメロは物珍しそうに、辺りを見回して、地上を覗き込んだり、物置の中を確かめたりしている。
「いやーとうとうバレちゃったよ。ここでなら誰にも見つからずにタバコを楽しめると思ってたのにな」
1人嘆いているのはマットだ。
「マット、吸い殻の始末をきちんとしなければタバコを取り上げますよ?」
すかさずエルの注意が入る。
「えー、……はい」
渋々吸い殻を拾い始めたマット以外がピクニックシートに座ると、それほど大きくは無いシートはいっぱいだ。
「シキ、チョコレートくれ」
メロが私の目の前にあるチョコレートを強請ると、スッと白い手を伸ばしてそれを取り上げるエル。
「これは私とシキのです」
二つあったうちの1つの包み紙を破き口に含むエル。次の瞬間片手で抱き寄せられて口付けが降って来る。エルの舌が口をこじ開け、幾分小さくなったチョコレートを残して離れて行く。
「……エル」
大人気なく残り一つのチョコレートも頬張るエルにメロが舌打ちする。
「メロ、キャラメルあげるよ」
オニキスが慰める様に、キャラメルを差し出す。さっきエルが撒き餌だと言ってベットの上に残して来たキャラメルだ。
「ニアにも一つどうぞ」
オパールが笑顔で差し出したキャラメルをニアが受け取る。
「俺座るとこ無いんだけど……」
1人立ったままのマットが言うと、メロが面倒臭そうに直に座ればいいだろと応える。
ニアが興味なさそうに一瞥して、オパールとオニキスはマットを振り返るも、横にずれる気は無さそうだ。
皆んなが詰めればマット1人分ぐらいならなんとか座れそうなんだけど……
しょんぼりと肩を落として、床にそのまま座ったマットの肩を叩いて、エフが無言でクッキーを差し出す。
「お、くれるの? エフは良い子だなぁ。それに比べて、皆んな俺に冷たいよねー。エフだってそう思うだろ? 何この塩対応、俺なんかした? いやマジで」
「お前は生活態度悪いからな。マットの真似をするなよ、不良になるぞ」
自らの出立の方がよっぽど不良の様に見えるメロにすかさずニアが突っ込む。
「貴方がそれを言いますか? メロ」
ワイワイと楽しそうに手を伸ばして思い思いにお菓子を手にする子供組3人は全く聞いている様子がない。
エルが大きく溜息をついた。
「こうなる予感はしてました……」