日日是好日
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「え? 行動力が有るのはエルに似たんじゃない?」
「……シキに似たんです。私は行動力はともかくあそこまでの情熱は有りませんよ……なんですか、その疑わしい視線は、本当のことです。まあ、貴女の事だけは例外ですが」
……やっぱりエルに似たんじゃ無いかな?
「オニキスは好きな子とか居ないんだ?」
「オニキスは、エフやメロと良く連んでますね、と言っても一歩引いた所からじっと眺めてる事が多いです。
好きな子とかはーーまだ無い様ですね。
ですがオパールの暴走を止められるのがオニキスだけなので」
そう言ったところは5年間経っても変わらないんだ。
「ニアとメロも、私も、オニキスとエフがLを継いでゆくと考えています。オパールにその気は無いようですしね……」
子供たちの声が外から聞こえて来る。授業が終わったようだ。
エルが窓を開けて風を入れる。
「そもそもニアとオパールでは、年齢差がありすぎますし、ニアは私以上に生活能力が無いんですよ。苦労するのは目に見えています」
エルの発言は彼氏に娘を取られた父親のそれでしか無くて、つい微笑ましく思ってしまう。
「っと、オパールに気付かれました。オニキスを引っ張ってこっちに向かっていますから、退散しましょう」
白い鞄に手を突っ込んだエルはキラャラメルの包みと袋入りのクッキーを幾つかベットの上に残して私の手を取る。
「撒き餌です」
ついでと言うように棒付きの飴を自らの口に突っ込んで、軽々と私を抱き上げて部屋を後にする。
廊下へ出たエルは少し耳を澄ませるようにすると、来た時とは逆方向にある階段へと向かった。
階段を降りるのかと思いきや、もう一階分を上がりきり廊下を反対側の極まで進むと壁の下の方を蹴り飛ばした。
ぎぃぃ、と軋むような、古びた様な音がする。
「隠し扉?」
「そうです。知りませんでしたか?」
隠し扉の先はまたもや階段になっていた。
私を降ろしたたエルが、隠し扉を慎重に閉める。
「こんな所があったんだ……屋上に出る階段?」
「そうです。さあ、手を」
エルと手を繋いで階段を上がる。段数はさほど無いが、急勾配なそれに息が上がる。
ようやく登り切るとエルは階段を一段降りて何かを探している。有りましたと言いながらエルが手にしているのは針金だ。その針金を使って鍵を開け始めた。
「鍵は無いの?」
「ワタリが持ってますが、スペアとかは無いです。大体いつもこうして開けてます」
かちゃん、と音が鳴ったかと思うと、屋上へのドアが開かれる。
真っ暗だった階段とは打って変わって青空が広がる。
ワイミーズハウスに屋上があるなんて、今まで知らなかった。エルは何度も来ている様子だけど。
屋上には小さな物置き小屋が建っていた。
「……シキに似たんです。私は行動力はともかくあそこまでの情熱は有りませんよ……なんですか、その疑わしい視線は、本当のことです。まあ、貴女の事だけは例外ですが」
……やっぱりエルに似たんじゃ無いかな?
「オニキスは好きな子とか居ないんだ?」
「オニキスは、エフやメロと良く連んでますね、と言っても一歩引いた所からじっと眺めてる事が多いです。
好きな子とかはーーまだ無い様ですね。
ですがオパールの暴走を止められるのがオニキスだけなので」
そう言ったところは5年間経っても変わらないんだ。
「ニアとメロも、私も、オニキスとエフがLを継いでゆくと考えています。オパールにその気は無いようですしね……」
子供たちの声が外から聞こえて来る。授業が終わったようだ。
エルが窓を開けて風を入れる。
「そもそもニアとオパールでは、年齢差がありすぎますし、ニアは私以上に生活能力が無いんですよ。苦労するのは目に見えています」
エルの発言は彼氏に娘を取られた父親のそれでしか無くて、つい微笑ましく思ってしまう。
「っと、オパールに気付かれました。オニキスを引っ張ってこっちに向かっていますから、退散しましょう」
白い鞄に手を突っ込んだエルはキラャラメルの包みと袋入りのクッキーを幾つかベットの上に残して私の手を取る。
「撒き餌です」
ついでと言うように棒付きの飴を自らの口に突っ込んで、軽々と私を抱き上げて部屋を後にする。
廊下へ出たエルは少し耳を澄ませるようにすると、来た時とは逆方向にある階段へと向かった。
階段を降りるのかと思いきや、もう一階分を上がりきり廊下を反対側の極まで進むと壁の下の方を蹴り飛ばした。
ぎぃぃ、と軋むような、古びた様な音がする。
「隠し扉?」
「そうです。知りませんでしたか?」
隠し扉の先はまたもや階段になっていた。
私を降ろしたたエルが、隠し扉を慎重に閉める。
「こんな所があったんだ……屋上に出る階段?」
「そうです。さあ、手を」
エルと手を繋いで階段を上がる。段数はさほど無いが、急勾配なそれに息が上がる。
ようやく登り切るとエルは階段を一段降りて何かを探している。有りましたと言いながらエルが手にしているのは針金だ。その針金を使って鍵を開け始めた。
「鍵は無いの?」
「ワタリが持ってますが、スペアとかは無いです。大体いつもこうして開けてます」
かちゃん、と音が鳴ったかと思うと、屋上へのドアが開かれる。
真っ暗だった階段とは打って変わって青空が広がる。
ワイミーズハウスに屋上があるなんて、今まで知らなかった。エルは何度も来ている様子だけど。
屋上には小さな物置き小屋が建っていた。