日日是好日
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Lを休業したエルとワタリはのんびりと自宅で過ごしている事が多くなった。あれほど濃かった目の下の隈も薄くなるほどに健康的? な毎日を送っている。
「今日はいい天気です、散歩にでもでかけませんか?」
子供たちがワイミーズハウスの授業を受けに出かけてしまうと途端に静かになる家の中でエルが誘う。
その隣でワタリが紅茶の入った魔法瓶などを白いカバンに詰め込んでいる。
エルと共に玄関に向かうと、真新しい靴が用意されていた。
「私と駿河さんからの快気祝いです」
「えっと、ワタリ。快気祝いは本当は私が配らないといけないものだと思うんだけど」
「おや、そうですか? 日本の文化は難しいですねえ」
惚けたように言って笑うワタリに釣られて笑ってしまう。相変わらず行き届いた人だ。
「さあ、行きましょうか」
先に靴に足を突っ込んだエルが手を差し出して来る。相変わらず踵は無惨に踏み潰されてるし……
差し出された手をとって、暖かくなった外へと踏み出す。生き返ってから初めての外だ。
隣を歩くエルは歩調を合わせてゆっくりと歩いてくれる。振り返るとワタリが玄関先で手を振って見送ってくれている。
まるで当然のように、私たちの足は丘を下りワイミーズハウスへと向かっていた。
「ハウスのシキと面識のある者は皆、シキが生き返った事を知っていますが、正しく理解しているのは、駿河さん、ロジャー、マット、メロ、ニアと、うちの子たちぐらいです。残りの者達はシキの死は偽装で何処かで療養していたのが良くなって戻ってきたと説明されているようです」
小鳥の囀りの中、エルが説明してくれる。
「ハウスの子達がその説明で納得するとは思えないけど?」
「まあ、葬儀を挙げてしまいましたからね。ですが案外素直に受け取って貰えているようです。
キラ事件の後DEATHNOTEに関してあちこちの組織からLに対する接触が増えましたから、死んだと見せかけて私とシキが別々にLとして動いていたのでは無いかと、そう推測する者が多いみたいです」
まあ、死人が生き返るよりは説得力有るかもしれないね。
「幸いキラの再来も今のところ見受けられませんし、夜神月もあの通り随分と落ち着きましたから、シキがまた近しい者達の所に顔を出しても大丈夫だと私が判断した……と、世間での認識はそんな所ですかね」
緩やかな傾斜の坂道、生い茂る丈の短い草に時折足を滑らせながら、なんとか丘を下りきる。
「初めから坂道は難易度が高かったですかね」
シキが転ぶのでは無いかとハラハラしました。そう嘯いたエルは、言葉とは裏腹に笑っている。
「エルが転ばせてくれないでしょう?」
足を取られる度に、エルに抱き止められて事なきを得て、降り切ったのだ。相変わらず細い割に力は強いし、バランス感覚も優れているから、共倒れになる事もない。
「帰りは抱えて帰りましょか?」
「大丈夫、歩けるよ」
「……残念です」
親指の爪を噛んだエルが、つまらなそうに言う。
ワイミーズハウスの広い庭が見えて来た。遊びまわる子供達の姿がないから、まだ授業中なのだろう。
「覗いて行きますか?」
エルの言葉に頷いて、記憶よりも少しだけ古ぼけた門をくぐる。
「今日はいい天気です、散歩にでもでかけませんか?」
子供たちがワイミーズハウスの授業を受けに出かけてしまうと途端に静かになる家の中でエルが誘う。
その隣でワタリが紅茶の入った魔法瓶などを白いカバンに詰め込んでいる。
エルと共に玄関に向かうと、真新しい靴が用意されていた。
「私と駿河さんからの快気祝いです」
「えっと、ワタリ。快気祝いは本当は私が配らないといけないものだと思うんだけど」
「おや、そうですか? 日本の文化は難しいですねえ」
惚けたように言って笑うワタリに釣られて笑ってしまう。相変わらず行き届いた人だ。
「さあ、行きましょうか」
先に靴に足を突っ込んだエルが手を差し出して来る。相変わらず踵は無惨に踏み潰されてるし……
差し出された手をとって、暖かくなった外へと踏み出す。生き返ってから初めての外だ。
隣を歩くエルは歩調を合わせてゆっくりと歩いてくれる。振り返るとワタリが玄関先で手を振って見送ってくれている。
まるで当然のように、私たちの足は丘を下りワイミーズハウスへと向かっていた。
「ハウスのシキと面識のある者は皆、シキが生き返った事を知っていますが、正しく理解しているのは、駿河さん、ロジャー、マット、メロ、ニアと、うちの子たちぐらいです。残りの者達はシキの死は偽装で何処かで療養していたのが良くなって戻ってきたと説明されているようです」
小鳥の囀りの中、エルが説明してくれる。
「ハウスの子達がその説明で納得するとは思えないけど?」
「まあ、葬儀を挙げてしまいましたからね。ですが案外素直に受け取って貰えているようです。
キラ事件の後DEATHNOTEに関してあちこちの組織からLに対する接触が増えましたから、死んだと見せかけて私とシキが別々にLとして動いていたのでは無いかと、そう推測する者が多いみたいです」
まあ、死人が生き返るよりは説得力有るかもしれないね。
「幸いキラの再来も今のところ見受けられませんし、夜神月もあの通り随分と落ち着きましたから、シキがまた近しい者達の所に顔を出しても大丈夫だと私が判断した……と、世間での認識はそんな所ですかね」
緩やかな傾斜の坂道、生い茂る丈の短い草に時折足を滑らせながら、なんとか丘を下りきる。
「初めから坂道は難易度が高かったですかね」
シキが転ぶのでは無いかとハラハラしました。そう嘯いたエルは、言葉とは裏腹に笑っている。
「エルが転ばせてくれないでしょう?」
足を取られる度に、エルに抱き止められて事なきを得て、降り切ったのだ。相変わらず細い割に力は強いし、バランス感覚も優れているから、共倒れになる事もない。
「帰りは抱えて帰りましょか?」
「大丈夫、歩けるよ」
「……残念です」
親指の爪を噛んだエルが、つまらなそうに言う。
ワイミーズハウスの広い庭が見えて来た。遊びまわる子供達の姿がないから、まだ授業中なのだろう。
「覗いて行きますか?」
エルの言葉に頷いて、記憶よりも少しだけ古ぼけた門をくぐる。