After 5 years
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翌日、ワタリと駿河さんに自宅の部屋を追い出された私はワイミーズハウスの庭にある木陰で仕事をしていた。
(なんでも無垢の床板は手入れが必要だとか…… ですが、家主の意向を無視してまですることですかね?)
まあ、一台のパソコンがあればどこでも仕事はできますが……
ふと、何か黒い物体が頭上の樹冠を揺らしながら落ちてくる。
目の前に落ちたそれを摘み上げる。
一冊の黒いノート。
見覚えのありすぎるそれに周囲を見渡す。
美しい青空に浮かぶ、異様なそれは実に5年ぶりの死神の姿だった。
「……また、暇つぶしですか? リュークさん」
ニヤリと笑った死神は黒い羽を音も無く羽ばたかせて青空に飛んだ。
「いやー、久しぶりだなぁ? とりあえずリンゴくれ」
「ここには有りません。後で用意させましょう。……それで、今更何の用ですか?」
「沢山用意してくれよな? もーずーっと腐ったリンゴしか食べてないんだ。なぁ、分かるだろ? この残念感。それと、今回俺は死神大王のお使いだ」
死神大王ですか、つまり死神のトップと言うわけですね。
「その死神大王とやらが、何の用があるのでしょう」
「お前達が知ってしまった死神の殺し方についてだ。このノートと交換に、死神の殺し方を忘れてもらう。どうだ? 悪い取引じゃないだろ?」
「残念ですが、その取引には応じられません。そもそも、死神の殺し方を知っている私たちが邪魔ならば、そのノートで殺せば良いじゃないですか。違いますか? リュークさん」
死神は芝生の上にちょこんと降り立った。
「あー、そう言う話も出たんだよ。でもお前頭いいだろ? それでもって大抵のことは出来る権力も有る」
まあ、否定はしません。
「死神の殺し方を世界中に公表する事も出来るわけだし、そうなると全人類を殺さないとだろ? そんなこと面倒くさいし、やっちまったら俺らの寿命延ばす手段無くなっちまう訳だ」
「まあ、そうなりますかね。そもそも何故死神の殺し方を知っていたらいけないのです?」
死神は頬のあたりをボリボリと掻いて空を見上げた。
「それは、死神大王(ジジイ)の都合だからよく分からんな。うん」
まあ、死神と言えど膨大なルールに縛られている訳ですから、何かしらの事情があるのでしょうが……
「では、レムさんが弥海砂に教えた死神の殺し方も問題だったのではないですか?」
「あー、あれはギリギリセーフらしいわ」
さて、リュークさんの話を纏めると、死神が自ら死を選ぶ分には問題なく、シキがして見せたように、私たち人が死神に手を下すのが不味いと……?
「まあ、それはあなた方の事情です。私たちが譲歩する謂れは有りませんし、今リュークさんと話しながら死神の殺し方を世界に向けて公表する準備も整えました」
リュークさんは、ゲッとも、えっ?とも取れない不思議な声を上げて、大きく溜息を付いた。
「何と引き換えなら、忘れてくれるんだ?」
交渉の定石を踏むのならば……
「DEATHNOTEを此方に持ち込まない事。そしてシキの蘇生。この2点です」
死神の目の前に2本の指を突きつけて答える。
さあ、どう出る?
(なんでも無垢の床板は手入れが必要だとか…… ですが、家主の意向を無視してまですることですかね?)
まあ、一台のパソコンがあればどこでも仕事はできますが……
ふと、何か黒い物体が頭上の樹冠を揺らしながら落ちてくる。
目の前に落ちたそれを摘み上げる。
一冊の黒いノート。
見覚えのありすぎるそれに周囲を見渡す。
美しい青空に浮かぶ、異様なそれは実に5年ぶりの死神の姿だった。
「……また、暇つぶしですか? リュークさん」
ニヤリと笑った死神は黒い羽を音も無く羽ばたかせて青空に飛んだ。
「いやー、久しぶりだなぁ? とりあえずリンゴくれ」
「ここには有りません。後で用意させましょう。……それで、今更何の用ですか?」
「沢山用意してくれよな? もーずーっと腐ったリンゴしか食べてないんだ。なぁ、分かるだろ? この残念感。それと、今回俺は死神大王のお使いだ」
死神大王ですか、つまり死神のトップと言うわけですね。
「その死神大王とやらが、何の用があるのでしょう」
「お前達が知ってしまった死神の殺し方についてだ。このノートと交換に、死神の殺し方を忘れてもらう。どうだ? 悪い取引じゃないだろ?」
「残念ですが、その取引には応じられません。そもそも、死神の殺し方を知っている私たちが邪魔ならば、そのノートで殺せば良いじゃないですか。違いますか? リュークさん」
死神は芝生の上にちょこんと降り立った。
「あー、そう言う話も出たんだよ。でもお前頭いいだろ? それでもって大抵のことは出来る権力も有る」
まあ、否定はしません。
「死神の殺し方を世界中に公表する事も出来るわけだし、そうなると全人類を殺さないとだろ? そんなこと面倒くさいし、やっちまったら俺らの寿命延ばす手段無くなっちまう訳だ」
「まあ、そうなりますかね。そもそも何故死神の殺し方を知っていたらいけないのです?」
死神は頬のあたりをボリボリと掻いて空を見上げた。
「それは、死神大王(ジジイ)の都合だからよく分からんな。うん」
まあ、死神と言えど膨大なルールに縛られている訳ですから、何かしらの事情があるのでしょうが……
「では、レムさんが弥海砂に教えた死神の殺し方も問題だったのではないですか?」
「あー、あれはギリギリセーフらしいわ」
さて、リュークさんの話を纏めると、死神が自ら死を選ぶ分には問題なく、シキがして見せたように、私たち人が死神に手を下すのが不味いと……?
「まあ、それはあなた方の事情です。私たちが譲歩する謂れは有りませんし、今リュークさんと話しながら死神の殺し方を世界に向けて公表する準備も整えました」
リュークさんは、ゲッとも、えっ?とも取れない不思議な声を上げて、大きく溜息を付いた。
「何と引き換えなら、忘れてくれるんだ?」
交渉の定石を踏むのならば……
「DEATHNOTEを此方に持ち込まない事。そしてシキの蘇生。この2点です」
死神の目の前に2本の指を突きつけて答える。
さあ、どう出る?