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「『無駄な抵抗はやめて、自ら出てきた方が身のためだ。罪も軽くなる』」
「『50人の警官と30人の特殊部隊によって完全に包囲している』」
月君、中々やりますねえ、動員できてる警官の数は30人だけで特殊部隊など呼んでませんが……
「エル」
シキが私の服の袖を引く。
「ええ、わかっていますシキ。
マット、映像を見ながら集中して操作して下さい。そろそろお出ましですよ」
暗い坑道内を映すの暗視カメラのマイクが、小さな雑音を拾う。次の瞬間、暗視カメラが捕らえるにしては明るすぎる光を拾ったカメラがブラックアウトする。
『エル、やられた』
「問題ありません、メロ首尾はどうですか」
『こっちは成功だ』
ワタリ特製の動くカメラから送られている映像が犯人と人質となっている薬の製造者を捕らえる。
2人が2台目のカメラに気がつくが、メロの方が僅かに早く動いた。
シュッという音の後モクモクと白い煙が坑道内に立ち込める。
ワタリ特製の動くカメラにマットが取り付けた発煙筒が上手く作動したらしい。
「空いている二つの通気口からも、煙と催眠系ガスの投入が完了しました」
ニアが、L人形とシキ人形を指にはめてVの字を作っている。
……ニア、そのシキ人形没収したと思っていたのですが、真逆また作ったんですか?
『ワタリ特製動くカメラも無傷で回収できそうだぜ?』
「それは上々ですが、まだ気を抜くのは早いですよ」
「おい、竜崎。発煙筒とガスの組み合わせは引火するぞ!」
胸元の集音マイクを外した月君が慌てた様に言う。
「問題ありません、先程ニアは催眠系ガスと言いましたが実際には液体です。メルトにヒントを得ました。揮発性の高い物ですが引火を引き起こす様な性質は持っていないので大丈夫でしょう」
ホッとした様に息を吐き出した月君はすっかり冷めた紅茶を一口飲んだ。私も自分の紅茶に手を伸ばしつつ、隣のシキを伺う。やはりもう少し糖分を摂取させた方が良いでしょうか……
ノートパソコン2台と携帯端末、それぞれのティーカップでいっぱいのテーブル。見回すと苺が盛られていた皿はベットサイドの水差しの脇に乗せられていた。練乳のチューブもその横に転がっている。
どのぐらいの糖分を摂取したのか練乳の残量から割り出して……120gのチューブですし……
「…い、……おい!竜崎聞いているか」
「エル?」
「……何でしょう?」
「練乳のチューブなんて持ってどうしたんだ? 真逆舐めるとか言わないよな? 何か甘いもの探してくるからさ、それはやめとけ、な?」
私は手にした練乳のチューブを下ろして、ポケットを探った。確か今朝、飴玉をいくつか忍ばせてあったはず。
「月君の、私のイメージはよく分かりましたが、流石の私でもそんな事はしませんよ。今日はワタリも駿河さんも居ないので、甘味の用意がいつもより少ないんです。シキ。これでも舐めて糖分を摂取して下さい」
シキに一つぶどう味を渡すと、私も一つを口にする。りんご味だ。手元に残った緑の包み紙には抹茶味と書いてある。
「月君もお一つどうぞ」
「『50人の警官と30人の特殊部隊によって完全に包囲している』」
月君、中々やりますねえ、動員できてる警官の数は30人だけで特殊部隊など呼んでませんが……
「エル」
シキが私の服の袖を引く。
「ええ、わかっていますシキ。
マット、映像を見ながら集中して操作して下さい。そろそろお出ましですよ」
暗い坑道内を映すの暗視カメラのマイクが、小さな雑音を拾う。次の瞬間、暗視カメラが捕らえるにしては明るすぎる光を拾ったカメラがブラックアウトする。
『エル、やられた』
「問題ありません、メロ首尾はどうですか」
『こっちは成功だ』
ワタリ特製の動くカメラから送られている映像が犯人と人質となっている薬の製造者を捕らえる。
2人が2台目のカメラに気がつくが、メロの方が僅かに早く動いた。
シュッという音の後モクモクと白い煙が坑道内に立ち込める。
ワタリ特製の動くカメラにマットが取り付けた発煙筒が上手く作動したらしい。
「空いている二つの通気口からも、煙と催眠系ガスの投入が完了しました」
ニアが、L人形とシキ人形を指にはめてVの字を作っている。
……ニア、そのシキ人形没収したと思っていたのですが、真逆また作ったんですか?
『ワタリ特製動くカメラも無傷で回収できそうだぜ?』
「それは上々ですが、まだ気を抜くのは早いですよ」
「おい、竜崎。発煙筒とガスの組み合わせは引火するぞ!」
胸元の集音マイクを外した月君が慌てた様に言う。
「問題ありません、先程ニアは催眠系ガスと言いましたが実際には液体です。メルトにヒントを得ました。揮発性の高い物ですが引火を引き起こす様な性質は持っていないので大丈夫でしょう」
ホッとした様に息を吐き出した月君はすっかり冷めた紅茶を一口飲んだ。私も自分の紅茶に手を伸ばしつつ、隣のシキを伺う。やはりもう少し糖分を摂取させた方が良いでしょうか……
ノートパソコン2台と携帯端末、それぞれのティーカップでいっぱいのテーブル。見回すと苺が盛られていた皿はベットサイドの水差しの脇に乗せられていた。練乳のチューブもその横に転がっている。
どのぐらいの糖分を摂取したのか練乳の残量から割り出して……120gのチューブですし……
「…い、……おい!竜崎聞いているか」
「エル?」
「……何でしょう?」
「練乳のチューブなんて持ってどうしたんだ? 真逆舐めるとか言わないよな? 何か甘いもの探してくるからさ、それはやめとけ、な?」
私は手にした練乳のチューブを下ろして、ポケットを探った。確か今朝、飴玉をいくつか忍ばせてあったはず。
「月君の、私のイメージはよく分かりましたが、流石の私でもそんな事はしませんよ。今日はワタリも駿河さんも居ないので、甘味の用意がいつもより少ないんです。シキ。これでも舐めて糖分を摂取して下さい」
シキに一つぶどう味を渡すと、私も一つを口にする。りんご味だ。手元に残った緑の包み紙には抹茶味と書いてある。
「月君もお一つどうぞ」