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マット、メロから準備が整ったと連絡が来た。月君は僅かに緊張した面持ちで椅子に座り襟元に付けた集音マイクを微調整して、頷いた。
「では、作戦開始です」
ワタリの作った動くカメラが追えるギリギリの位置を、音を立ててラジコンが走る。
ラジコンにも勿論カメラを仕込んであるが、どちらかと言えばこちらは囮でしかない。こちらからの音声を坑道内に響かせながらガタゴトと音を立てながら走っていく。
シキがマットに頼んだのはこの囮用のラジコンの制作だ。他にもワタリの発明品の方にも少し手を加えてもらった。
この手のことはマットが1番器用に熟す。
「『この坑道の出口は一つだけだ。無駄な抵抗はやめて出てきた方が良い』」
隣で月君が話すとほぼ同時に、画面の中からその声が聞こえてくる。
こうして、説得するふりをしてわざとラジコンを音を立てて進ませる。そしてそれを追いかけるワタリ特製の動くカメラ。二重の搦手で行けば何とか犯人の現在地が割り出せるでしょう。
「月君の手を借りたのは正解ですね。こう言った交渉役の様な仕事は、ニアやメロにはまだ難しいでしょう。ニアも、メロもしっかり技術を盗むと良いです」
月君の演技力の高さはキラ事件で証明されていますしね。捜査本部の刑事達だけでなく、身内までも欺いたその演技力を遺憾無く発揮して、説得の様な台詞を垂れ流すラジコンが賑やかに進む。
勿論ラジコンが進むのは私とシキが2人で推測した犯人が1番潜んでいそうなルートに他ならない。このルート内に犯人がいる確立は84%以上です。
「向こうとしては、今のうちに休んで我々が疲れるのを待って強行突破すると言うのが1番でしょう」
「うん。しかも、こんな袋のネズミになりそうな場所にわざわざ逃げ込んだと言うことは、武器をこの坑道に隠し置いていた可能性もあるね」
それぞれの推論を述べながら、カメラが坑道内を進んでいくのを見つめる。
私はあまりの懐かしさに一度きつく目を閉じた。シキが隣で同じものを見て、同じ事件を追っている。嘗ての様に。
まっすぐな瞳で画面を見つめるシキの横顔を見て、自然と自分の口角が上がるのを自覚した。
「ええ、そして絶対的に逃げ切れる自信があったからこそここへ逃げ込んだ。
まあ、私たちが相手の時点でそれは不可能に変わりましたが」
「では、作戦開始です」
ワタリの作った動くカメラが追えるギリギリの位置を、音を立ててラジコンが走る。
ラジコンにも勿論カメラを仕込んであるが、どちらかと言えばこちらは囮でしかない。こちらからの音声を坑道内に響かせながらガタゴトと音を立てながら走っていく。
シキがマットに頼んだのはこの囮用のラジコンの制作だ。他にもワタリの発明品の方にも少し手を加えてもらった。
この手のことはマットが1番器用に熟す。
「『この坑道の出口は一つだけだ。無駄な抵抗はやめて出てきた方が良い』」
隣で月君が話すとほぼ同時に、画面の中からその声が聞こえてくる。
こうして、説得するふりをしてわざとラジコンを音を立てて進ませる。そしてそれを追いかけるワタリ特製の動くカメラ。二重の搦手で行けば何とか犯人の現在地が割り出せるでしょう。
「月君の手を借りたのは正解ですね。こう言った交渉役の様な仕事は、ニアやメロにはまだ難しいでしょう。ニアも、メロもしっかり技術を盗むと良いです」
月君の演技力の高さはキラ事件で証明されていますしね。捜査本部の刑事達だけでなく、身内までも欺いたその演技力を遺憾無く発揮して、説得の様な台詞を垂れ流すラジコンが賑やかに進む。
勿論ラジコンが進むのは私とシキが2人で推測した犯人が1番潜んでいそうなルートに他ならない。このルート内に犯人がいる確立は84%以上です。
「向こうとしては、今のうちに休んで我々が疲れるのを待って強行突破すると言うのが1番でしょう」
「うん。しかも、こんな袋のネズミになりそうな場所にわざわざ逃げ込んだと言うことは、武器をこの坑道に隠し置いていた可能性もあるね」
それぞれの推論を述べながら、カメラが坑道内を進んでいくのを見つめる。
私はあまりの懐かしさに一度きつく目を閉じた。シキが隣で同じものを見て、同じ事件を追っている。嘗ての様に。
まっすぐな瞳で画面を見つめるシキの横顔を見て、自然と自分の口角が上がるのを自覚した。
「ええ、そして絶対的に逃げ切れる自信があったからこそここへ逃げ込んだ。
まあ、私たちが相手の時点でそれは不可能に変わりましたが」