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「シキさん、まだ熱下がらないのか?」
シキが熱を出してから3日後、夜神月が尋ねてきた。山ほどの苺を持って我が家に来た彼は、誰から聞いたのかシキの状況を知っていた。
「いや、実は3日前に訪ねて来たんだけど、取り込んでいた様だからワイミーズハウスの方に行ったんだ。事情はそこで聞いたよ」
我が家のキッチンで苺を洗う夜神月。5年と言う歳月は偉大ですね。こんな光景を見る事になるとは思いませんでした。
「ほら、シキさんに持っていってやれよ」
丁寧にヘタを取って、四等分されている苺が小皿に乗っていた。
「路地物の、出始めのヤツ。今年から売り出す新しい品種なんだ。後で竜崎も食べるといいよ。甘味が強いからきっと気にいる」
ハンカチで手を拭って、残りの苺を低温庫に仕舞いながら言う月君。
どうやらシキのお見舞いのつもりで持って来てくれたらしい。
「会って行きますか? まだ微熱は続いていますが、本人は暇を持て余していますので。あと、私も苺食べたいです。私の分も洗ってください」
一瞬動きを止めた月君は、肩を震わせて笑った。
「そうだった、お前ってそう言うヤツだったよな」
低温庫から苺を取り出して素直に洗い苺のヘタを取り除く月君。今度は四等分せずにそのまま皿に盛り付けていく。
「じゃあ、お言葉に甘えてお見舞いさせて貰おうかな。あ、竜崎お茶も用意するか?」
「ええ、客人にさせてしまって申し訳ありませんが、お願いします」
「シキ、月君がお見舞いに来てくれましたよ」
寝室の戸を開けるとシキはまたもやベットの上でパソコンを開いて何事か話し込んでいる。よくよく見ると左手にある携帯端末も通話状態になっている。
私の後ろから苺とお茶の乗ったトレイを持って部屋に入ってきた月君が、竜崎と、咎める様に私を呼ぶ。
シキの話の内容から、通話の相手はメロ、パソコン越しの通信の相手がニアであると判断した私は、即座にそれらに手を伸ばして奪い取ろうとするが、シキの強い視線がそれを止めた。
そう言えば昨日彼らに振った仕事の報告がまだ入っていませんでした。何か問題が起きたのでしょうか。
「メロ、それ以上追ってはダメ。その鉱山はたしか、崩れやすいはず。岩盤が脆い状態だから深追いは危険。
……むしろ戻って、人質にされた人達がいた場所の報告を」
『ああ、わかった』
「ニア、貴方が集めたデータをすぐに此方に送って。エルが集めたデータと重複しても良いから、それから地元の警察に話をつけて」
「分かりました」
シキの指示に素直に従ったニアが画面の向こうから見切れる。
私はベットに乗り上げてシキの隣からパソコンを操作した。ニアからのデータは既に届いていた。
「やはり、元軍人の男の方が犯人ですか……
と、いうか何があったんです? 犯人の男が人質を取って鉱山に立て籠ったのは、聞きましたが……何故そうなったのです?」
サイドテーブルに苺とお茶を置いた月君が大きくため息を付いた。
「竜崎、その前にシキさん休ませた方が良いんじゃないか? まだ熱があるって言ったただろう?
シキさんも、体調悪い時にまで仕事するのはどうかと思うけどな。
いや、そもそも病人の居室に仕事を持ち込んだ竜崎が良くない」
シキが熱を出してから3日後、夜神月が尋ねてきた。山ほどの苺を持って我が家に来た彼は、誰から聞いたのかシキの状況を知っていた。
「いや、実は3日前に訪ねて来たんだけど、取り込んでいた様だからワイミーズハウスの方に行ったんだ。事情はそこで聞いたよ」
我が家のキッチンで苺を洗う夜神月。5年と言う歳月は偉大ですね。こんな光景を見る事になるとは思いませんでした。
「ほら、シキさんに持っていってやれよ」
丁寧にヘタを取って、四等分されている苺が小皿に乗っていた。
「路地物の、出始めのヤツ。今年から売り出す新しい品種なんだ。後で竜崎も食べるといいよ。甘味が強いからきっと気にいる」
ハンカチで手を拭って、残りの苺を低温庫に仕舞いながら言う月君。
どうやらシキのお見舞いのつもりで持って来てくれたらしい。
「会って行きますか? まだ微熱は続いていますが、本人は暇を持て余していますので。あと、私も苺食べたいです。私の分も洗ってください」
一瞬動きを止めた月君は、肩を震わせて笑った。
「そうだった、お前ってそう言うヤツだったよな」
低温庫から苺を取り出して素直に洗い苺のヘタを取り除く月君。今度は四等分せずにそのまま皿に盛り付けていく。
「じゃあ、お言葉に甘えてお見舞いさせて貰おうかな。あ、竜崎お茶も用意するか?」
「ええ、客人にさせてしまって申し訳ありませんが、お願いします」
「シキ、月君がお見舞いに来てくれましたよ」
寝室の戸を開けるとシキはまたもやベットの上でパソコンを開いて何事か話し込んでいる。よくよく見ると左手にある携帯端末も通話状態になっている。
私の後ろから苺とお茶の乗ったトレイを持って部屋に入ってきた月君が、竜崎と、咎める様に私を呼ぶ。
シキの話の内容から、通話の相手はメロ、パソコン越しの通信の相手がニアであると判断した私は、即座にそれらに手を伸ばして奪い取ろうとするが、シキの強い視線がそれを止めた。
そう言えば昨日彼らに振った仕事の報告がまだ入っていませんでした。何か問題が起きたのでしょうか。
「メロ、それ以上追ってはダメ。その鉱山はたしか、崩れやすいはず。岩盤が脆い状態だから深追いは危険。
……むしろ戻って、人質にされた人達がいた場所の報告を」
『ああ、わかった』
「ニア、貴方が集めたデータをすぐに此方に送って。エルが集めたデータと重複しても良いから、それから地元の警察に話をつけて」
「分かりました」
シキの指示に素直に従ったニアが画面の向こうから見切れる。
私はベットに乗り上げてシキの隣からパソコンを操作した。ニアからのデータは既に届いていた。
「やはり、元軍人の男の方が犯人ですか……
と、いうか何があったんです? 犯人の男が人質を取って鉱山に立て籠ったのは、聞きましたが……何故そうなったのです?」
サイドテーブルに苺とお茶を置いた月君が大きくため息を付いた。
「竜崎、その前にシキさん休ませた方が良いんじゃないか? まだ熱があるって言ったただろう?
シキさんも、体調悪い時にまで仕事するのはどうかと思うけどな。
いや、そもそも病人の居室に仕事を持ち込んだ竜崎が良くない」