Lの遠出
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人混みを掻き分けるようにして歩く。秋葉原の電気街で必要になりそうなものを購入した。
手近な店に入り甘味を注文する。シキは細やかにboyや真希さんの世話を焼いている。
角砂糖で遊び始めたboyの相手をしてやると、少しだが距離感が縮まったように思えるから不思議だ。
店に置いてあったメモ用紙を拝借したシキが、何事かを書きつけるとそれを織り込んで立ち上がる。
「私は少し繋ぎをつけてくるから」
「ケーキ屋さんなら裏通りですよ」
苦笑したシキは、花屋だと告げて軽やかに席を立った。
私よりもシキの方が万人受けする以上シキに任せた方が良いのでしょうが……出来るだけ早く帰ってきてください。やっぱり子守は苦手です。
「お姉さんはどこに行ったの?」
ほら、案の定質問が。
「あなたのお父さんが最初に連絡を取ろうとした人を覚えていますか?」
「えっと、たしかワタリさん?」
「はい、彼は今入院中なのです。そこで私達が真希さんにお会いしたのですが、彼に全く連絡をしていませんでしたから」
「ケーキ屋さんと、花屋さんって?」
「私達が直接彼のいる病院に行くわけには行かないので、ケーキか花のようなお見舞いの品と共に、先程のメモを彼の病室まで運んでもらう作戦です」
2時間後無事に駿河さんと合流出来た私たちは、しばしクレープ車を走らせて人気のない埠頭へとたどり着いた。
11月の後半となると流石に冷えてきますね。
「あの子が自らウイルスを?」
「うん、幸いウイルスはスリープ状態にあるのか、発症はまだなようだけど」
シキと、駿河さんの話し声を聴きながら海を見つめる。
「眠るようにとは、いかないかもしれないね……」
ごく小さなシキの独り言。
案外耳聡くシキの言葉を拾い上げた駿河さんが怪訝そうに聞き返す。
「実は余り時間がないんです私。DEATHNOTE……FBIにももう報告は上がっているからご存知でしょう。死神のノートに名前を書いたので……あと数日で片をつけないとね」
こちらを向いて笑うシキの顔は穏やかだ。あのノートに名前を書いたシキは、それ以降とても穏やかに笑うようになった。
ともすれば、それは、解放される者の穏やかな笑みなのかもしれない。
「君が? あ、いやワタリからの報告ではLの命が後少しと。私はそれを確認するために来たんだ。今世界からLが消えたら大混乱が起こる。そうしないための策をだな」
クスリと声を上げて笑ったシキに、何故かギョッとする駿河さん。
「隠さなくても良いですよ。FBIがDEATHNOTEの存在を確認しに来たのはわかっています」
「あ、いや。うん、それもだが、私としては……」
「嘘がつけない人ですねえ。駿河さん。心配いりませんよ。私が死んでもエルがLを続けていくはずです。ワタリが後継者の育成にも力を入れていますし問題ないと思いますよ? ところで、もう少し協力してくれますか?」
「ああ、それは勿論」
駿河さんのその答えを聞いたシキはゆっくり伸びをした。
潮風に髪を靡かせながらシキが私に手を差し出す。
「ちょっと距離があるけど大丈夫かな?」
「まあ、何かあればその場で対処しましょう」
手近な店に入り甘味を注文する。シキは細やかにboyや真希さんの世話を焼いている。
角砂糖で遊び始めたboyの相手をしてやると、少しだが距離感が縮まったように思えるから不思議だ。
店に置いてあったメモ用紙を拝借したシキが、何事かを書きつけるとそれを織り込んで立ち上がる。
「私は少し繋ぎをつけてくるから」
「ケーキ屋さんなら裏通りですよ」
苦笑したシキは、花屋だと告げて軽やかに席を立った。
私よりもシキの方が万人受けする以上シキに任せた方が良いのでしょうが……出来るだけ早く帰ってきてください。やっぱり子守は苦手です。
「お姉さんはどこに行ったの?」
ほら、案の定質問が。
「あなたのお父さんが最初に連絡を取ろうとした人を覚えていますか?」
「えっと、たしかワタリさん?」
「はい、彼は今入院中なのです。そこで私達が真希さんにお会いしたのですが、彼に全く連絡をしていませんでしたから」
「ケーキ屋さんと、花屋さんって?」
「私達が直接彼のいる病院に行くわけには行かないので、ケーキか花のようなお見舞いの品と共に、先程のメモを彼の病室まで運んでもらう作戦です」
2時間後無事に駿河さんと合流出来た私たちは、しばしクレープ車を走らせて人気のない埠頭へとたどり着いた。
11月の後半となると流石に冷えてきますね。
「あの子が自らウイルスを?」
「うん、幸いウイルスはスリープ状態にあるのか、発症はまだなようだけど」
シキと、駿河さんの話し声を聴きながら海を見つめる。
「眠るようにとは、いかないかもしれないね……」
ごく小さなシキの独り言。
案外耳聡くシキの言葉を拾い上げた駿河さんが怪訝そうに聞き返す。
「実は余り時間がないんです私。DEATHNOTE……FBIにももう報告は上がっているからご存知でしょう。死神のノートに名前を書いたので……あと数日で片をつけないとね」
こちらを向いて笑うシキの顔は穏やかだ。あのノートに名前を書いたシキは、それ以降とても穏やかに笑うようになった。
ともすれば、それは、解放される者の穏やかな笑みなのかもしれない。
「君が? あ、いやワタリからの報告ではLの命が後少しと。私はそれを確認するために来たんだ。今世界からLが消えたら大混乱が起こる。そうしないための策をだな」
クスリと声を上げて笑ったシキに、何故かギョッとする駿河さん。
「隠さなくても良いですよ。FBIがDEATHNOTEの存在を確認しに来たのはわかっています」
「あ、いや。うん、それもだが、私としては……」
「嘘がつけない人ですねえ。駿河さん。心配いりませんよ。私が死んでもエルがLを続けていくはずです。ワタリが後継者の育成にも力を入れていますし問題ないと思いますよ? ところで、もう少し協力してくれますか?」
「ああ、それは勿論」
駿河さんのその答えを聞いたシキはゆっくり伸びをした。
潮風に髪を靡かせながらシキが私に手を差し出す。
「ちょっと距離があるけど大丈夫かな?」
「まあ、何かあればその場で対処しましょう」