Wの不在
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警報音とともに、モニターに侵入者達が映り込む。
……そう言えばキラ事件解決後、捜査本部のセキュリティレベルを下げたままでした……。最も、相手はKですから、そんな事はさしたる問題でも無かったのかも知れませんが……
シキの腕の中から抜け出した真希さんがウイルスの注射器を握りしめKの下へ走る。
モニターに映る真希とKを眺め、私はシキに保温ポットを手渡した。
「エル、私が……」
言いかけたシキの唇をそっと人差し指で押さえる。
「真希さんは興奮状態です。彼女を連れ戻すには力が要りますから」
Kの背後をとる様に別の扉から出ると、真希さんを引き摺りながら隠し扉へと向かう。
先行していたシキがboyを連れてこちらを振り返る。暴れる人を連れて階段を降りるのは、中々骨が折れます。
一階に着いて、僅かにホッとする。全く、今回の事件想定外の事だらけですね……
そもそも、私達Lが実働部隊となっている時点でいつもと全く違うのですが。
興奮状態の真希さんの身体の力がふっと抜ける。差し出したシキの手と、背後から現れたスーツの男の手に助けられて、共倒れは防げたが……
「FBIの駿河だ。ワタリ不在の今、我々が君たちを守る」
ここに来てFBIですか、まあ使えるものは使いましょう。シキが微かに頷いたのを確認して、駿河さんに礼を言う。
タッチパネルを操作したシキが扉を開き我々を先に通す。
運転を駿河さんに任せて、直ぐに本部のデータに手を付けた。真希さんを伺うが、特に発症している様子はない。
何故だ? 二階堂氏はすぐにウイルスによる出血などが見られたと真希さんは話していた。
「私、今誰でも殺せるんだ」
「……それはどうかな? そもそもあの注射器に本当にウイルスが入っていたかは分からないしね」
注意深く真希さんを観察していたシキの手が真希さんの首筋にそっと触れる。
僅かな時間を置いて、穏やかな笑みを浮かべるのを見るに、真希さんの体温や脈に異常は無いようだ。
私は駿河さんの隣に向かい簡単に事の経緯を説明する。
「駿河さん、30メートル先を左へ曲がってください」
協力してくれると言うなら、してもらいましょう。
「シキ、降りますよ」
車から降りたシキがboyと、真希さんを下ろしている間に、駿河さんに好きなだけスピードを出して車を走らせてもらうよう頼む。
「2時間後にここで落ち合いましょう」
……そう言えばキラ事件解決後、捜査本部のセキュリティレベルを下げたままでした……。最も、相手はKですから、そんな事はさしたる問題でも無かったのかも知れませんが……
シキの腕の中から抜け出した真希さんがウイルスの注射器を握りしめKの下へ走る。
モニターに映る真希とKを眺め、私はシキに保温ポットを手渡した。
「エル、私が……」
言いかけたシキの唇をそっと人差し指で押さえる。
「真希さんは興奮状態です。彼女を連れ戻すには力が要りますから」
Kの背後をとる様に別の扉から出ると、真希さんを引き摺りながら隠し扉へと向かう。
先行していたシキがboyを連れてこちらを振り返る。暴れる人を連れて階段を降りるのは、中々骨が折れます。
一階に着いて、僅かにホッとする。全く、今回の事件想定外の事だらけですね……
そもそも、私達Lが実働部隊となっている時点でいつもと全く違うのですが。
興奮状態の真希さんの身体の力がふっと抜ける。差し出したシキの手と、背後から現れたスーツの男の手に助けられて、共倒れは防げたが……
「FBIの駿河だ。ワタリ不在の今、我々が君たちを守る」
ここに来てFBIですか、まあ使えるものは使いましょう。シキが微かに頷いたのを確認して、駿河さんに礼を言う。
タッチパネルを操作したシキが扉を開き我々を先に通す。
運転を駿河さんに任せて、直ぐに本部のデータに手を付けた。真希さんを伺うが、特に発症している様子はない。
何故だ? 二階堂氏はすぐにウイルスによる出血などが見られたと真希さんは話していた。
「私、今誰でも殺せるんだ」
「……それはどうかな? そもそもあの注射器に本当にウイルスが入っていたかは分からないしね」
注意深く真希さんを観察していたシキの手が真希さんの首筋にそっと触れる。
僅かな時間を置いて、穏やかな笑みを浮かべるのを見るに、真希さんの体温や脈に異常は無いようだ。
私は駿河さんの隣に向かい簡単に事の経緯を説明する。
「駿河さん、30メートル先を左へ曲がってください」
協力してくれると言うなら、してもらいましょう。
「シキ、降りますよ」
車から降りたシキがboyと、真希さんを下ろしている間に、駿河さんに好きなだけスピードを出して車を走らせてもらうよう頼む。
「2時間後にここで落ち合いましょう」