Wの不在
あなたのお名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
かき集めてきた甘味を片手にシキの読む本を覗き込んで内容を叩き込む。
読み終わったシキがチラリとboyを気にする。
「良い子で遊んでいます」
頷いたシキが、ふとパソコンに目を留めた。
ワイミーズナンバーのKからの通信だった。シキがワタリの机に向かう。顔を隠すための面を付けて、シキの背後から画面を覗き込む。
Kからの依頼に応えるため時間を指定してここの場所のファイルを送った。
ファイルの送信が終わった事を確認して面を外す。
シキが先程の通信を巻き戻していた。
ある場所で画像を静止させて、Kの座る机の上の銀色の物体を注視している。
そこを拡大していくと、物騒な光景が目に入った。
「的場……だね」
Fからのメッセージは記憶に新しい。わざわざ見比べる必要もないだろう。
今度はインターホンのなる音が響く。
どうやら、今回の事件、事件の鍵となる人物が次から次へと転がり込んでくる性質がある様だ。
シキに連れられて、ワタリの執務室に顔を見せたのは、二階堂真希。
椅子に座らせて、暖かい紅茶を淹れたシキは、保温ポットにも紅茶を注ぎ入れた。
手近にあった角砂糖を全て投入して蓋を閉める。ポットの中で角砂糖がぶつかる音がした。
二階堂真希が父親に託された注射器。
「これは何? 薬なの?」
「いえ、ウイルスでしょう。もし、抗ウイルス薬を持ち出せば、ウイルスに対してその人物を無敵にしてしまいます。だから、一つしかない抗ウイルス薬を処分し、消したのでしょう……自分と一緒に」
真希さんからの話を聞いて、Kの事を思いだす。ハウスでの接点はそれほど無かった。お互いを知っている。その程度の関係だ。
「Kは、怖がりだった……今度は何を恐れているの?」
シキの声は、私にしか聞こえなかったのだろう。
真希は時間を聴くと体温を測り始めた。父親の言いつけなのだと言う。
じっとその光景を見ていたシキが、思案げな顔で真希のノートに並ぶ数字を見ている。
泣きながら真希はノートに記録を付けている。いつの間にかboyが真希の服を掴んで隣で泣いている。
小さく笑みをこぼしたシキが、しゃがみ込んで二人を抱きしめた。
突如、警報音が鳴り響く。
読み終わったシキがチラリとboyを気にする。
「良い子で遊んでいます」
頷いたシキが、ふとパソコンに目を留めた。
ワイミーズナンバーのKからの通信だった。シキがワタリの机に向かう。顔を隠すための面を付けて、シキの背後から画面を覗き込む。
Kからの依頼に応えるため時間を指定してここの場所のファイルを送った。
ファイルの送信が終わった事を確認して面を外す。
シキが先程の通信を巻き戻していた。
ある場所で画像を静止させて、Kの座る机の上の銀色の物体を注視している。
そこを拡大していくと、物騒な光景が目に入った。
「的場……だね」
Fからのメッセージは記憶に新しい。わざわざ見比べる必要もないだろう。
今度はインターホンのなる音が響く。
どうやら、今回の事件、事件の鍵となる人物が次から次へと転がり込んでくる性質がある様だ。
シキに連れられて、ワタリの執務室に顔を見せたのは、二階堂真希。
椅子に座らせて、暖かい紅茶を淹れたシキは、保温ポットにも紅茶を注ぎ入れた。
手近にあった角砂糖を全て投入して蓋を閉める。ポットの中で角砂糖がぶつかる音がした。
二階堂真希が父親に託された注射器。
「これは何? 薬なの?」
「いえ、ウイルスでしょう。もし、抗ウイルス薬を持ち出せば、ウイルスに対してその人物を無敵にしてしまいます。だから、一つしかない抗ウイルス薬を処分し、消したのでしょう……自分と一緒に」
真希さんからの話を聞いて、Kの事を思いだす。ハウスでの接点はそれほど無かった。お互いを知っている。その程度の関係だ。
「Kは、怖がりだった……今度は何を恐れているの?」
シキの声は、私にしか聞こえなかったのだろう。
真希は時間を聴くと体温を測り始めた。父親の言いつけなのだと言う。
じっとその光景を見ていたシキが、思案げな顔で真希のノートに並ぶ数字を見ている。
泣きながら真希はノートに記録を付けている。いつの間にかboyが真希の服を掴んで隣で泣いている。
小さく笑みをこぼしたシキが、しゃがみ込んで二人を抱きしめた。
突如、警報音が鳴り響く。