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「復讐の線はもうないでしょう。となると、家か、二階堂教授の勤務先……あとは、母親の墓前辺りですかね」
勤務先の監視カメラの映像にアクセスするも、それらしき人物は映り込んで居ない。病院から勤務先までの距離を考えてももう着いても良い頃合いなのですが……
「相沢さんですか? Lです。 日本警察に協力して頂きたい案件があります。ええ、その件です。被害者である二階堂真希さんが姿を眩ませました。彼女の自宅と、二階堂家のお墓に人を割いていただきたいのです」
シキは日本警察に協力を要請している。
「こんな事になるのならば、あのぬいぐるみから発信機を取り出したのは失敗でしたかね……」
珍しくキョトンとしたシキとワタリの顔が目の前にある。
「こればかりは……真希さんの行動力のなせる技ですから、流石のあなた方でも読めなかったでしょう」
ワタリ、フォローになっていませんよ。
「相沢さん達日本警察も直ぐに動いてくれるみたいだし、今は待つしかないね。駿河さんも病院内をもう一度探してくれるって言っていたし……」
私たちは沈黙して時計とモニターを見比べた。
日本警察からの連絡も未だに無い……
病院周辺のアクセス可能な防犯カメラの映像全てに手をつけたが、どこをどう通ったのか、真希さんの姿は見当たらなかった。
インターホンの音が響いたのはそれから3時間後のことだった。
ワタリが、モニターの映像を切り替えて来訪者の姿を確認する。
「二階堂真希さんの様です」
ワタリの声に私たちはハッと顔を上げた。
ワタリがセキュリティを解除して迎え入れると、ものすごい速さで駆け込んで来た真希さんはシキに抱きついた。
「わたし、わたし、まだ、お礼も、なっ、何も言ってない!」
嗚咽で、所々つっかえながら、真希さんは私たちを睨みつけた。
「きっと、今を逃せば、に、二度と、2人に会えない、会えないって、分かったから……」
顔をクシャクシャにして、それでもなんとか笑顔を作って、真希さんは
「ありがとう。本当に、ありがとう」
そう、心から言った。
「落ち着いた?」
いつの間に用意したのか、ホットタオルで真希さんの顔を拭ってやりながらシキが尋ねる。
頷く真希さんを椅子に座らせると、ワタリがお茶を運んで来た。
「各所に真希さんが見つかった連絡は済ませました。駿河さんが迎えにきてくれるそうです。
初めまして真希さん。私はワタリと申します」
ワタリの名乗りに、真希さんはじっとワタリを見つめた。
「いつか、イギリスに遊びにいらっしゃい。私の元にお父様の書き残した研究資料が幾つかあります。時が来たら真希さんにもお見せしましょう」
真希さんは、私たちを振り返って言った。
「……また会えるの?」
答える前に、扉が開き駿河さんが顔を出す。
「見つかって良かったよ。さあ、病院に戻ろう」
駿河さんに背中を押されて部屋を出てゆく真希さんは、それでも振り返ってこちらを見る。
「真希ちゃん、『ありがとう』を言いに来てくれてありがとう」
シキのその言葉と共に扉は閉じられた。
勤務先の監視カメラの映像にアクセスするも、それらしき人物は映り込んで居ない。病院から勤務先までの距離を考えてももう着いても良い頃合いなのですが……
「相沢さんですか? Lです。 日本警察に協力して頂きたい案件があります。ええ、その件です。被害者である二階堂真希さんが姿を眩ませました。彼女の自宅と、二階堂家のお墓に人を割いていただきたいのです」
シキは日本警察に協力を要請している。
「こんな事になるのならば、あのぬいぐるみから発信機を取り出したのは失敗でしたかね……」
珍しくキョトンとしたシキとワタリの顔が目の前にある。
「こればかりは……真希さんの行動力のなせる技ですから、流石のあなた方でも読めなかったでしょう」
ワタリ、フォローになっていませんよ。
「相沢さん達日本警察も直ぐに動いてくれるみたいだし、今は待つしかないね。駿河さんも病院内をもう一度探してくれるって言っていたし……」
私たちは沈黙して時計とモニターを見比べた。
日本警察からの連絡も未だに無い……
病院周辺のアクセス可能な防犯カメラの映像全てに手をつけたが、どこをどう通ったのか、真希さんの姿は見当たらなかった。
インターホンの音が響いたのはそれから3時間後のことだった。
ワタリが、モニターの映像を切り替えて来訪者の姿を確認する。
「二階堂真希さんの様です」
ワタリの声に私たちはハッと顔を上げた。
ワタリがセキュリティを解除して迎え入れると、ものすごい速さで駆け込んで来た真希さんはシキに抱きついた。
「わたし、わたし、まだ、お礼も、なっ、何も言ってない!」
嗚咽で、所々つっかえながら、真希さんは私たちを睨みつけた。
「きっと、今を逃せば、に、二度と、2人に会えない、会えないって、分かったから……」
顔をクシャクシャにして、それでもなんとか笑顔を作って、真希さんは
「ありがとう。本当に、ありがとう」
そう、心から言った。
「落ち着いた?」
いつの間に用意したのか、ホットタオルで真希さんの顔を拭ってやりながらシキが尋ねる。
頷く真希さんを椅子に座らせると、ワタリがお茶を運んで来た。
「各所に真希さんが見つかった連絡は済ませました。駿河さんが迎えにきてくれるそうです。
初めまして真希さん。私はワタリと申します」
ワタリの名乗りに、真希さんはじっとワタリを見つめた。
「いつか、イギリスに遊びにいらっしゃい。私の元にお父様の書き残した研究資料が幾つかあります。時が来たら真希さんにもお見せしましょう」
真希さんは、私たちを振り返って言った。
「……また会えるの?」
答える前に、扉が開き駿河さんが顔を出す。
「見つかって良かったよ。さあ、病院に戻ろう」
駿河さんに背中を押されて部屋を出てゆく真希さんは、それでも振り返ってこちらを見る。
「真希ちゃん、『ありがとう』を言いに来てくれてありがとう」
シキのその言葉と共に扉は閉じられた。